2020年8月24日月曜日

アタック25出演記Part6 アタックチャンス~地中海クルーズ獲得

お待たせしました、アタック25出演記、今回で終わります!

アタックチャンスの時点で、枚数トップの10枚。このままいけば、勝てるかもしれません。ただし私がもっている唯一の角は25番で、ほかの全員が狙える場所。つまりアタックチャンスを落とすと、窮地に追い込まれる。
じつは本番になっても、それほど緊張していませんでした。しかし勝利の端が見え始めたら、急に我に返ったようになって、膝が震えだしたではないですか。オンエアを見た友だちからは「なんと落ち着いていることか」と言われましたが、それは上半身から上だけで、座っているだけなのに膝がずっと震えていました。

そして25問目、アタックチャンス。
「和歌や連歌などで、意識的に先人の作の用語や語句などを取り入れて歌を作ることを……」
押した!
「本歌取り」
とったーーーー!!!!

字面では知っていても自分自身では使ったことのない単語。微妙に自信はなかったんですが、次にいい問題がくるとも限らない、と思って攻めました。今改めて測り直したら、質問が始まって押すまで5.7秒。もっと長いように感じたよ……。

この問題をとったおかげで角の1番に入ることができ、アタックチャンスで指定したのは、赤がもっていた左下の角、21番。ラッキーなことに、白と緑はすぐには入れない場所。つまり早めにまた正解すれば、とれる可能性が高い。
ちなみに1番をとれたのも、24問目で正解した白の人が間違えて?7番に入ったからこその偶然で。こういう偶発的なパネルの流れこそ、アタックあるあるだなと思いました。我ながら本当に武運がある。

続く26問目は白がとりましたが、神は引き続き私に微笑んでいた……27問目に、なんと25問目アタックチャンス以上のミラクルが!
「3択の問題です。現地時間の今月10日、アメリカでグラミー賞の授賞式が行われます。グラミー賞のトロフィーはあるものがデザインされていますが、次のうちどれでしょう」
3択など聞く必要もなかった。 

「蓄音機!」
はい、正解~~!!

本当は「あるものが」あたりで押してもよかったんだけど、念には念を入れて問題文を最後まで聞いてから答えました。だって、グラミー賞の問題なんて。えっ、出題者サイキッシュ見てくれてるの?って勘違いしそうになるレベルじゃないですか。今まで私が何度グラミー賞の写真を漁って、何枚このサイトに貼りつけてきたというのか。

21番をとったことにより、左縦1列がすべて青に。合計17枚となり、この時点で優勝が確定しました。
洋楽にささげてきた青春、ありがとう…!

残りは3問。自分でもできすぎな枚数だと思ったので、欲をかくのはやめようと思いつつ、一方でやっぱり枚数とれるもんならとっておきたいというもの。
白が連続で2枚獲得し、ラスト30問目の時点で青の私は13枚に。
そして最後の問題
「来月10日、日本を代表するバレリーナ森下洋子が、あるバレエの公演で主役を務めます」
この時点では、眠れる森の美女かシンデレラかな?と思っていました。が、次のキーワードが決めてだった。
「アルブレヒトと悲しい恋をして……」
ジ ゼ ル !
なんでわかったかって? 中学生のとき大好きだった花とゆめの漫画家さん、葉山萌葱先生のコミックスに収録された短篇「夜毎ジゼルのように」を何百回も読んでいたから。
白泉社にもささげてきた青春、ありがとう。いや本当に、自分が生きてきた道全部が勝利のピースとなりうるゲーム、それがクイズだと実感しました。
ちなみに問題文の全文は「森の精霊となる村娘を描いたこのバレエのタイトルはなんでしょう」でした。
というわけでラストコールを9番で飾ることができ、最終的にパネル17枚でフィニッシュしました。勝ったぜ……。

さあ優勝者は、地中海クルーズ(当時)をかけた最終問題に挑戦できます。
これまで問題を答えるときは手元の画面を見ていたのですが、最後だけは正面の大パネルを見ることになります。これはテレビ放映時に、解答者がずっと下を向いているのを避けるためのようです。
この最終問題は、回によって、人名を答えさせたり、地名を答えさせたり。
谷原さんが「今回はある都市の名前をお当ていただきます」と言ったとき、正直ゲッと思いました。日本の地理が苦手なので、できれば人名がいいなと思っていた。
しかも画面に最初に映ったのが、氷に穴をあけて魚釣りをしている図。北海道か長野か…やべえ、全然ピンとこない!!!

がしかし。
その次に出てきたのが、与謝野晶子の記念碑(字幕つき)。
あれ、これ最近見たじゃん……。
ウラジオストクじゃん……。

何を隠そう、海外旅行好きな私にとってウラジオストクはマジで「近いうちに行きたい場所ナンバーワン」であり、友だちのブログや4travelの旅行記を読みまくっていたのだった。
与謝野晶子は夫の鉄幹に会うために単身ウラジオストクに渡り、そっからシベリア鉄道に乗ってパリに向かったんですよ。そのときの歌を刻んだ記念碑が、極東連邦大学の構内にあるって、マジで私普通に知っていたんですよ……。

一応、真面目な顔してモニターを見つめていたけど、そっから先は内心答え合わせみたいな感じでした。そして見れば見るほどウラジオストク。
シベリア鉄道の発着駅であることや、地図も表示され、最後は金角湾横断橋の写真。はい、答え、ウラジオストクです!
おかげさまで自信を持って答えることができました。
地中海クルーズをこの手につかむことができました。

収録後は控室に戻り、賞金(現ナマ)や交通費の受け渡しがありました。副賞は、ネックレスとGUCCIの時計とクルーズ目録はその場でもらえて、サムソナイトのスーツケースは後日送られてきました。賞金は会場を出てすぐ近くのATMに突っ込みに行った。
その後私よりテンションの上がっている夫&両親と合流し、上機嫌で美酒をあおったのは言うまでもありません。

いや~~こうして振り返っても、本当に運が良かったし、同時にやっぱそれなりに強かったな自分、とも思います。
出るからにはベストを尽くしたい、勝ちたいと思っていたけど、こんなにうまいこといくなんて。クイズ一家に生まれた我が宿命、リベンジを果たすべく生きてきたのだ……と言ってもいいでしょう。

最後に谷原さんに一言求められたとき「お父さんお母さん、やったよ!って感じです」と答えたけど、本当は3か月前に亡くなった伯母さんにも呼びかけてました。両親が出るよりさらに前、たぶん私が生まれる前くらいに、じつは伯母さんも出演していたから。伯母さん、やったよ~!