2011年3月24日木曜日

ワインを飲めばいいじゃない

パンがなければケーキを食べればいいじゃない。水がないならワインを飲めばいいじゃない。
ってことで突然ですが、お手頃価格のおすすめワインを紹介します。

デ・ボルトリ セークレッド・ヒル セミヨン・シャルドネ<オーストラリア>

私のデイリー白ワインといえばこれ。とにかく飲みやすくて美味い!
安物にありがちな酸っぱさやクセがない。1000円切る価格なので、いつもまとめ買い。

クズマーノ・インソリア<イタリア>

上のワインに比べたら、味わいがハッキリしてる。
ビストロでグラスワインとして出されて、美味しかったので銘柄を教えてもらった。
濃いめの料理にも負けない辛口の白。インソリアはシチリアの固有品種。

ミゲル・トーレス・サンタディグナ カベルネ・ロゼ<チリ>

甘すぎず苦すぎない、丁度いいロゼを探していて巡りあった一本。
やや辛口で、食事中にがぶがぶ飲むのも、食後にちびちびやるのも合う。
たぶん、お酒好きな人が特に好きなロゼ。

モンサラ カヴァ セミ・セックNV<スペイン>

雑誌のランキングにもよく登場する、人気のスパークリング。
すっきりした泡に、後味がほんのり甘くて、天然の湧き水のような喉越し。
ホームパーティーにオススメ。

1500円以下で、特にお気に入りだとこのへん。赤はあんまり詳しくない。
品種でいうと、シャルドネ、トロンテス、ミュスカあたりが好きです。

地震から明日で2週間か。あっという間だった。
余震の恐怖とか知識では知ってても余裕かましてたんですが、私が間違ってたわ。
土曜に久々に大きな余震が来たとき、「いよいよ滅亡かも!?」って恐怖にかられ、いきなり心拍数があがった。
基本、痛みや寒暖に鈍感な私ですらこれだから、東日本の人は本当に消耗してると思う。
電気も使えないし、放射能問題云々もあるし、精神的にも身体的にもじわじわ蝕まれている感じ。

でも夢だったらよかったのに、とかはなくて、起こったことは淡々と向き合うしかないと思う。
そりゃ怖いけど。
これが終わりの始まりなのかどうかはわからないけど、間違いなく日本は次の時代に突入した。
それをリアルタイムで体験できるのはすごく不思議かつ、得難いことだと思ってる。

2011年3月16日水曜日

必要とされているのは想像力

輸入食品店が好きで好きで、保存食とかをつい買いすぎてしまうことは以前から書いてきたとおりですが
今ほど自分グッジョブ! 俄然生きていける!と思ったことはないよな。
レトルトカレーだけでも数種類あるので、スーパーで買い占めなんて愚かな行為をする必要がありません。
冗談めかして書いてるけど、買い占め、ダメゼッタイ。
パニック状態になっているからある程度仕方ないとはいえ、同じ東京で暮らす者として、本当に嫌だなーと思います。
もちろん、健康な20代単身者である私と、子どもや老人などの家族がいる人は単純に比べられないけど
でも、今がいかに有事かってことは、誰だってわかることじゃん!
自分の家だけ、普段通りのメニューや量を食べられると思うなんて、思い上がってる。
「買い占めることで、精神バランスを取り戻そうとしてる」とか、心理学的には理由づけできるかもしれないけど
それを許すことは私にはできない。いや、私が許す許さないの問題じゃないけど、私自身の問題として。
普段「仏のサイコ」と言われてる(誰も呼んでいない)私が珍しく怒っていますよ。

怒りついでにもういっこ・・・
今流行りの「不謹慎」ってなんなのかね?
被災地を助けたくても、普通の市民が現地に行くことができないなら
せめて自分の仕事を粛々とこなして、節電や募金しながら元通りの暮らしを取り戻して、
経済活動を回すことが、我々にできることだと思ってるんだけど。
戦中ファシズムのごとく、他者にめくじらたてずにはいられない人たちもいるみたい。
読んでいる方も多いであろうブログ「元Olive少女の日記」がその標的になっていました。
私も一傍観者にすぎないから、出しゃばったことは言えないけど、でも悔しい!
世の中にはたくさんの意見があって当然だし、ブログのコメント欄という公開された場に何を書くのも自由とはいえ
はじめて来た人に「あなたは不謹慎です!」って糾弾されたって困るわ。
というか、説得力がないよ。「あんたは誰よ?」って話でしょ。
本当の「不謹慎」ってのは、被災者をバカにしたりするような言動のことでしょ。
被災者の人が言うなら、心情としてまだわかる。でもあんたは当事者じゃない。
森達也の本に書いてあった
「被害者の気持ちがわからないのか!という人に限って、たいてい全然関係ない人」
という言葉を思い出す。
みんな、余震や原発で不安なのを、がんばって笑顔でいようとしてるんだよ。

2011年3月12日土曜日

一番長い週末(1)

あまりにも甚大な被害に、言葉もありません。
ひとりでも多くの人が救われることを祈るのみ。
祈るだけじゃなくて、節電、献血、義援金の協力は惜しまないつもり。

以下、地震のときの様子をざっと記録してみます。

3月11日 14時45分頃
この日、仕事は夕方からだったので、午前中に作業したあと、ベッドで昼寝していました。
(外出用のワンピースに、パジャマの上だけ被ったという格好・・・)
カタカタと震えを感じて目覚めるものの、最近地震があったばかりなので、また来たか、という感じ。
しかしじっとしてるとだんだん激しくなってくる!
揺れが長い! 振れも長い!
ガチャガチャと物がぶつかり合う音が台所から聞こえてきて、
こりゃさすがにまずいと起きあがり、テレビをつけて、NHKに。
ちょうど通常放送からニュースに切り替わったところだったと思います。
財布等が入ったメインバッグを手元に引きずりよせ、スリッパをはき、パソコンデスクの下へ。
揺れがますます激しくなる。
「やばい、ケータイだけでも持たなきゃ。でもデスクの下から出ていいのか?」と思っているところで
電話の着信音。彼氏からでした。ベッドサイドから奪うように取って、またデスクの下へ。
これが14時48分。
長野にいる彼氏から安全確認されるが、こっちもテンパってるので
「そりゃわかってるんだけど!」「今後どーすりゃいいの!?」と涙目で相談。
体感では1分くらい揺れていたような・・・。
いつ揺れが収まるのかわからなくて、面白いくらい物がガシャンガシャン落ちる音を聞いていました。

なんとか揺れが収まり、電話を切って、玄関に置いていた災害セットを取りに行く。
キッチン~玄関は、レンジの上の物が散乱していて、避けながら歩かないといけませんでした。
【地震直後】

奥に転がっているのは、突っ張り棒でコンロ奥に作っていた調味料棚の残骸。
この上にあった鍋や調味料のほか、流しの下に収納していたフライパン等が散らばっています。
防災セットを取り、ハァハァしながらガスの元栓を閉める。
緊張と興奮で常に足元が震えていました。
再びNHKを見ると、この時点ですでに「大津波にご注意ください」と報道していました。
パソコンは無傷で、ツイッターがつながって一息つく。
ここで改めて部屋を見回して、被害確認など。
幸いなことに皿などは割れておらず、本棚の上などに積んでいたCD山と、前述の調味料棚の崩壊がメイン。

一番長い週末(2)

ツイッターで他の人の状況を確認したあと、いつでも逃げられる格好に着替える。
親に無事だったと連絡しなきゃ!と思うものの、ケータイを使うのは憚られたので
とりあえずPCメール。これが14時52分。
ふたがあいて中身がたれたラー油などの応急処置をしたあと、
軽い化粧をして、最低限の化粧水等をポーチに詰めて持ち出し可能な状態にし、防災キットと一緒にPCデスクの下へ。
実はこの防災キット、21歳の誕生日のときに彼氏にねだってプレゼントしてもらったもので
当時友達には「もっと可愛いものもらえよ!」と言われてたけど、まさかこんなふうに存在感を発揮するとは。
NHKを見ると、予想以上にかなり深刻な模様・・・
改めて親に電話するもケータイがつながらないので、IP電話から親の事務所に電話。
IP→固定電話なので、今度はすぐに繋がりました。
14時58分。
しかし、親は地震が起きたことを知らなかった!
この間、常にゆらゆらと余震。

その後は、外に出ず家にいたほうがいいということで、物を片付け
(キッチンに置いていたはずのスパイスが玄関まで転がっていた)、PCに張り付いてツイッターを追う態勢に。
念のためベランダの窓を開けていたので寒く、室内なのにコートを着ていました。
近所の犬がずっと吠えていた。
15時15分頃にもかなり大きい余震が。
半泣きだぜ・・・
会社に電話するも連絡つながらず、ツイッター上で会社にいるらしい先輩にリプライを飛ばしてみたり。
16時前くらいから、NHKで流れている火災や津波が、ますます深刻なものに。
宮城県を襲った黒い渦のような津波、リアルタイムで見ていましたが、信じられなかった。
黒い触手が伸びるように、町を呑み込んでいく。

仕事相手何人かとメールで連絡取り合うも、JR終日ストップの報が出たので出社断念。
夕方過ぎには、すでに「首都圏帰宅難民」の報が出ていました。
18時過ぎに近所のスーパーに出かけましたが、うちの周りはあまり大きな混乱はなし。
比較的年齢層の高い住宅街なのと、東京の中では地盤が固めの地域だからか?
パン、肉、米、野菜をひととおり買ったのだけど、このときパンをもっと買うべきだった。
うちから徒歩1時間強のところに会社がある華月ちゃんと連絡を取り、電車がなくなった彼女を収容することに。
マンションのガスメーターを操作して、ガス復活。隣に住んでる大学生にも声をかけて一緒に。
別に普段付き合いはないんだけど、挨拶するくらいの仲をつくっておいてよかった・・・

一番長い週末(3)

「電気があるうちに米を炊いたほうがいい」というTwitter情報を読んで
米2合を炊き、いつもより多めの量で煮物を作る。
でも怖いので、ガスを使い終えるごとに元栓を閉めていた。
20時半に華月ちゃんが来て、迎えがてら近所のコンビニで買い物。
おにぎりや弁当の棚は空でした。
無性に甘いものが食べたくて、普段なら買わないジャンクなスイーツを購入。
華月ちゃん曰く「街は世紀末みたいだった」と。
夜はやい時間なのに店がシャッターを下ろし、大勢の人たちが通りを歩いて、異様な雰囲気だったそうです。

華月ちゃんが来てくれて、気持ち的にはだいぶ安心したけど、余震はまだまだ続く。
テレビはCMなしで各局地震報道一色。テレ東も例外ではない。こんなの9・11ぶりに見た。
どのニュースも痛ましいけど、「仙台沖に200~300人の遺体」って流れたときはさすがに言葉を失ったよ・・・
寝るときは、パジャマではなく、いつでも外に出られるような格好で。
ベッドに入ってからも目が冴えて寝られず、しかも20分おきくらいに余震が続いて、
怖くて怖くてTwitterや2ちゃんねるを交互に見ていた。
4時前にものすごい音とともに「緊急地震速報」が鳴り、飛び起きたら今度は震源が新潟・長野!
長野で働いている彼氏は、これを受けて出勤していかれました。
働くプロたちには本当に頭が下がるわ。

夜明け前にようやく寝て、今日は10時過ぎに起床。
朝食後に華月ちゃんを送りだしたんだが、なんかやたら腹が減って、すぐ昼食もがっつり食べてしまった。
昨日からずっと、動いてないはずなのに妙に腹がへるんだけど
本能的に「食べなきゃ!」って思ってるのかもしれない。
あと、なぜか太腿裏が筋肉痛。片づけのときに変な筋肉を使ったのか、緊張のせいか。
夜の予定はキャンセルになったので、停電に備えてテレビとネットだけつけて、ベッドでごろごろ。
夕方にスーパーに買い出しに行ったら、パン類と牛乳は見事に売り切れ。昨日買っておけばよかった。
でもネットを見る限り、比較的残ってるほうだったと思う。
節電しながらコアタイムをずらして夕食を取り、今に至ります。

地震が起きたときびっくりしたけど、「ああ、ついに来たのか」という気持ちもあって
今振り返ってみると比較的落ち着いて行動できていたかな。
でも、それも状況がラッキーだったからこそ。
寒い思いをしている人たちの幸運を心から祈ります。
明日は仕事。ちゃんと働くことで少しでも貢献できるといいな。

2011年3月11日金曜日

私は大丈夫です

地震が起きましたが、私は無事です。
幸いにも家におりまして、食糧のあるところで過ごせております。
東北の方々や、家にも会社にも帰れてない人たちが心配・・・
取り急ぎ、ご報告まで。

それにしてもマジで世界が終わるかと思いました。
半端なかった。悪魔の手の平の上で揺らされているような感覚。
ディザスターってこれか・・・と机の下に潜りながら思った。
CDの山が崩壊した(それは私が悪い)

皆さんも余震にお気をつけて。

2011年3月8日火曜日

ふがいない僕は空を見た

なかなか更新できてなくてすみません。
オスカーファッションチェックも・・・あああ本当に不覚!
たぶん今週末には動けると思うのだが。

苦し紛れに最近面白かったものをいくつか貼り付けておきます。

いしだ壱成のブログ「今だからみんなで考えたいこと。」
http://ameblo.jp/isseiishida/entry-10819818986.html
山口・祝島の原発建設反対運動に関連したエントリ。
芸能人がエコぶって書いてるかと思いきや、そういや壱成はガチでヒッピーコミューンの出身者だった。
実際に体験した者にしか書けない、ぐりっとした文章。

http://wmg.jp/kacibattaglia/
エロいミュージックビデオが話題になってるケイシー・バタグリア。
「またイロモノが出て来たわ」と思ってあんまり気にしてなかったんだけど
2002年に『パラダイス』でデビューしたKaciだったと気づいてびっくりしたよ!
当時もそんなに聞いてたわけじゃないけど、IN ROCK直系のポップアイドルだった記憶が。
しかも頭もいい(ケンブリッジに留学)のねん。

『ふがいない僕は空を見た』/窪美澄
http://www.shinchosha.co.jp/book/325921/
今年の本屋大賞にもノミネートされている話題の本。
R-18文学賞大賞受賞作「ミクマリ」と、それに連なる4作をあわせた短篇集で
ここ数カ月で読んだ日本文学のなかで一番良かった。ものすごく荒々しく胸に迫ってきた。
登場人物が関連していて、独立した作品としても面白いし、全体を通すとまた別の視界が開ける。
R-18なんでエロ成分多めだけど、生々しいのにむしろ突き放した視線で、乾いていて、どこかもの悲しさすらある。
登場人物はどこか満たされていなかったり痛々しかったりして
容赦ないストーリー展開には、主人公と一緒になって絶望すら感じるのだけど、
でも、それを上回る「生への肯定」が全体にみなぎっていて、胸が震える。
作者はライターとして妊娠・出産を主に扱ってきた人らしく、
“生も性も、綺麗事だけじゃないけど、それでも生命は歓迎すべきものだ”
っていう深い得心が文と文のあいまから滲みでていて、頼もしい。
「ミクマリ」終盤の「おまえ、やっかいなものをつけて生まれてきたね」ってモノローグや
「世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸」のラスト一文とか、うわあああああってなっちゃったよ。
あと“頭がよくない人たちの恋愛と性欲”を正面から抉れる筆力に脱帽した。
デビュー作なのに独りよがり感はゼロ。傑作です。