2025年6月21日土曜日

新しいサイトをとりあえずつくってみた

前回のfc2webサービス終了の話の続きです。

結局5月は仕事が忙しくて全然時間がとれず、6月になってやっとサイト移行に取り掛かろうとしたのですが、肝心のfc2webそのものがサーバー落ちが続いていて、ファイルマネージャーにアクセスできなくて……
とりあえず最低限のことだけでもと思い、SAICISHの各ページを普通に「名前をつけて保存」し、自分のパソコンとクラウドには保存し終わりました。

そして今日、移行先の新SAICISHのトップページだけをなんとかつくってみました。

https://saicish.my.canva.site/

本当はfc2ホームページにしたかったんだけど、なんかもう使い方が全然わからなくて、テンプレートとかもあるけどうまく調整できなくて、Wordpress版も登録してみたけど使いこなせる気がしなくて……
10代の頃はhtmlタグ打ちしてたのにな! あの世代の中高生、平気でhtml書いてたの今考えると本当すごいよ。

というわけで、とりあえずcanvaでトップページだけ設定したけど、膨大な記事のアーカイブをどうするか。
ほぼ文字なのでcanvaでひとつひとつテキストページを作成していくのはあまり現実的でなく、外部ブログやnote的なところにどんどん再投稿していくのがいちばんラクなんだけど、サイトとしての網羅性は確保できないよなぁ…とか。
まあ今更新規で来る方もほとんどいないと思うので、時系列も無視してひたすら各記事をアップしていって、タグとかつけて、探したい人はタグから読みたい記事をたどってくださいとするのか。
あちこちのドメインをとるのも面倒なので、過去記事はこのブログに、古い日時設定でどんどん投稿していく手もあるかな?と思っていますが、実際どうするかは未定。

というわけで、前回も書きましたが、SAICISHで今後も読みたい記事がある方は、ぜひダウンロードしてお手元においていただければと思います。
私も今回のタイミングで全記事改めて確認したけど、さすがsince 2001、めちゃくちゃ記事溜まってるな~~と気が遠くなった。
特に10代の頃に書いたものはかなり恥ずかしいので、もう移行しなくていいかなという気もするけど、でもその時にしか書けないものでもあるし、完全になくすのは惜しい気もするし。

今日はちょうどミッチーのワンマンショーツアー@渋谷LINE CUBEにも行ってきて、めちゃくちゃ楽しかったです。しかも初期のレア曲を結構やってくれて。
このサイトの歴史はほぼベイべとしての歴史でもあるので、非常に感慨深かったと同時に、90年代や00年代のリバイバルが起きている今、ミッチーの音楽性についても改めて語る場があってもいいのではと思った。アーティストとしてはあまり批評の土壌にのってこなかった人だと思うので、なおさら。

2025年5月2日金曜日

fc2webがサ終してしまう

皆さま~! サイコです。
さっそくですが、私は元気なんですが、saicishが存続の危機よ。
というのも、サーバーを借りていたfc2webが2025年6月末でサービス終了(サ終)してしまうから……!

2000年に開設したこのサイト、気づけばもう25年経つんですね……って、今PC打ちながらビックリしちゃった。四半世紀やんけ。
そりゃ女子高生だった私も40歳目の前になるわけです。
確か最初はinfoseek iswebを使っていて、サ終にともない途中でfc2webに移転したのですが、そのfc2も終わりかあ……。
10年代くらいまでは、「一度ネットにアップしたものは半永久的に残り続ける」的な言説がまかりとおっていて、実際それは真実だと思うんですけど、一方で検索アルゴリズムの変化などで、今当時のサイトのアーカイブってぐぐってもなかなかたどり着けないですよね。
今回みたいにサービスそのものがなくなったら、web魚拓とか取っていない限りデータそのものも消えていくし。
それこそsaicishだって、昔はGoogleで検索すると何ページにもわたって結果が出ていたけど、いま試しにやってみたら5件しかヒットしなかった。
ちなみに、たま~にエゴサーチしていると、「○○ 歌詞」で流入してくることはあるみたい。
(アラニス・モリセットの「Hands Clean」の和訳と、ミッチーの「ペンフレンド」について書いた20歳のときの記事は、ちょこちょこTwitterで感想を書いてくれている人がいる。ありがとうございます)

fc2webからはfc2ホームページという別のサービスに移管できるようなのですが、まだ作業時間がとれておらず。
そしてそもそも、ログインIDやパスワード自体も怪しい……。
なんとか5月中に作業したいと思っていますが、写真関係は取り扱うの大変だし、文字だけになるかな~という気がしています。それすらうまくいくかもやや不安なので、もし「この記事は手元においておきたい」という方がいれば、ご自身のデバイスに落としておいてくださいね。

このブログ自体は変更ありませんので、何かあればこちらでお知らせしていきます。

そういえば漫画原作の第2弾が、昨年末からスタートしています!
今回は、がんばりやヒロイン×不器用メガネ王子の明るいラブコメ。絵も現代的でとってもかわいいので、ぜひ読んでいただけると嬉しいです。

いや~しかしサイト移管、マジでできるかな。不安だ~!

2024年8月25日日曜日

2024年にglobeに求めること

先日、globeについて質問される機会がありまして(どんな機会だって話ですが、ちゃんと謝礼が発生するやつ)。

私はglobe全盛期は小学生~中学生で、当時はTSUTAYAで音源をレンタルで聴いていて、ライブも行ったことないような立場なので、回答者としてふさわしいかな…という懸念はありました。が、その後25年間なんだかんだ聴き続けている&カラオケで歌い続けているのは確かで、実際globeについてしつこく語り続けている声の大きい人ってあまりいないので、お話しさせていただくことにしました。

たくさん質問されながら、自分でも思っていなかった「globe考」を引き出してもらえて面白かったので、営業妨害にならない程度にここにも書いてみようと思います。

・globeにどうなってほしいか

新曲を出してほしいですか? と聞かれたとき、「いやー、ぶっちゃけ全員が元気であればそれでいい」と思って。もちろん再結成して音楽活動をしてくれれば一番うれしいけど、KEIKOの病気のことがまずあり、さらに小室哲哉とKEIKOの関係のこじれ方を見れば、能天気に「みんなで仲良くしてほしい!」とは言えないわけで。

そう考えて思い至ったのは、globeというグループは、病気と離婚という口に出すのがはばかられる事情のせいで、はっきり解散もできないままずっと宙ぶらりんになっていて、ファンはそれが何より苦しいのでないかということでした。

誰もが「もう無理だろうな」と思いつつ、公式アナウンスがない以上、葬式をすることもできない。それは他の小室ファミリーにはないしんどさだなと。

同時期に活躍していたといえば、安室奈美恵と華原朋美です。安室ちゃんの活躍ぶりは言わずもがな、引退した今も、LEGENDとしてたびたびその経歴や影響力について言及されています。華原朋美は再始動して、その活動に危うさはあれど、立ち直ろうとしている姿は応援したいと思える。

(そこでいうと、30周年で元気に武道館ライブを果たしたTRFは、バラエティ番組やダンササイズでうまく商売しつつも、音楽グループとしてきちんと形を保っていて、全員無理せず元気そうで、結構理想的な生き残り方かもしれない)

なので、はっきり再結成とかそういうことは望めなくても、globe is still aliveの状態が再確認できるようなことがあればいいなと感じた次第です。

・90年代のあの空気を再発見したい

globeの活動を振り返るとき、楽曲そのもののよさはもちろん、曲が起用されたCMだったり、金のかかったステージやアートワーク、ミュージックビデオだったり、90年代後半のあの雰囲気全体を一緒に思い出すことが多いです。

先の見えない世紀末感と同時に、J-POPバブル最後のギラついた狂乱があった。カラオケカルチャーとも切っても切り離せなくて、煙草の匂いが染みついたカラオケの狭い部屋で、ひび割れた音質でもマイクが音割れしていても成立してしまうあの強度。
また個人的には「BRAND NEW globe 4 SINGLES」シリーズの、洋楽を強烈に意識したミュージックビデオも強い印象を残しています(後年のインタビューを読むと、フィオナ・アップルあたりに影響を受けているらしい)。


今となっては幻のようで、なかなか言語化しづらいあの「空気」を改めて検証したいというか、再発見してみたいという気持ちがあります。インターネット普及前、SNSもない時代だったので、どれだけGoogle検索しても、当時のリアルな感覚にたどり着けない。

GLAYやラルク、もしくはミスチルなんかのロック系のアーティストであれば、音楽雑誌のバックナンバーをあたれば資料やインタビューもたくさん見つかると思うんですが、globeってあれだけ売れていたのに(売れていたからこそ?)批評的な文脈から離れていた。でも「流行曲だから」「水物だから」と時代と一緒に消費したままで終わるには、あまりにも潜在的影響力が高かったと思うんです。

きっと口に出していないだけで、globeの影響を受けているもの、ことってあると思う。私自身がその証左なので。今、令和の時代に、もっと語り合いたい~!

ていうか改めて今回探してみたけど、マジでglobeについて言及している人って少ないんですよね。そもそもSEO的にもglobeって単語じゃ検索ハードルが高すぎて。
デビュー当初はあえてビジュアルを公開しておらず、匿名性の高いグループだった経歴と、不思議に符号したりするような気もするけど。

2024年5月16日木曜日

2024年5月に聴いている音楽など

うわ~~気がついたら2024年になっていた~~~
というわけでお久しぶりです、サイコです。
ブログをなかなか更新しないのは、忙しいとかもあるけど、明確な理由があって、普段使いのPCが起動しにくい状況だからなんですよね。
今、会社PCはノートで、家にいる間は基本それを開きっぱなしにしていて、私物のPCは格納してしまっていて。よほど個人情報を扱うような作業をするときは私物PCを取り出すんだけど、たいてい会社PCとスマホで事足りてしまうので、サイキッシュにログインすることもなく、日々が過ぎてしまっていくというわけです。

こんな体たらくだから、ごく限られた人がたまに訪れてくれるレベルだと思うし、最近はもうGoogle検索にも引っかかりにくくなっているし、もともとURLを知っている人しか見ないサイト&ブログになっていると思いますが、サイキッシュは私にとってのMessage In A Bottle、世界に向かって飛ばす落書きの裏紙でつくった紙飛行機のようなものなので、生きている限りはどれだけ不定期でも更新していきたい。

とはいえ今日は長文を書くほどの余裕はないので(子どもにYouTubeを見せながら、マンションの理事会に出かけた夫が帰宅するのを待っている)、肩慣らし的に、最近聴いている音楽など。
今ほとんどSpotifyで雑多に流し聴きしていますが、お!と思った曲やアーティストは集中的に聴いたり、個別に買ったりしています。

WILLOW

ウィル・スミスの娘…という肩書はもう完全にいらんやろ。デビュー曲「Whip My Hair」の時から地味に好きだったんですが、HIP HOPからどんどんロックやエモの方向に舵取りしていって、音楽はもちろんたたずまいが本当に格好いい女の子だなと感心している。
新アルバム『e m p a t h o g e n』はさらにオルタナティブジャズを自分なりにものにしていて、アルバムとしては過去一番好きです。
このTiny Desk Concertのライブ映像も素晴らしくて、特に最後の「Big Feelings」の歌唱に惹き込まれた。歌の力が強い。

Jordan Rakei
もともと、「なんとなく好きなタイプの、現代UKジャズの人」くらいの認識だったんですが、4月に出た最新作『THE LOOP』がめちゃくちゃいい!
広がりのあるサウンドスケープ、ストリングス隊の芳醇な演奏、肩の力が抜けた歌唱がとにかく気持ちがいい。アルバム全編にわたって「希望」がコンセプトとなっているそうで、本人の中でもブレイクスルーがあったんだろうな、いま音楽やるのがとにかく楽しいんだろうなと感じられる。

Gracie Abrams
この「Risk」という曲、キャッチーで勢いがあって、少し切なさもあって、力強くて声がクリアで綺麗で…久しぶりにこんな直球の売れそうなガールロックを聴いたよ! と思ってアーティストを確認したら、テイラー・スウィフトのツアーに帯同していると知って納得、さらになんと映画監督J.J.エイブラムスの娘さんだと知って驚き!
ルックスもいいし、おそらくニューアルバムは売りにかかってくると思う。ポップスターになる覚悟を感じる。

temp.
タイのバンド。トロピカルポップバンドと称されるとおり、メロウでムーディー、甘ったるいボーカルが特徴的。こちらは今年出た新曲。まったりすぎる感もあるけど、いいですね。
曲単体としては4年前に出たこれが特に好きかな。ゴージャスだけどレイドバックした感じ、女性ボーカルとの絡みも気持ちがよく、夕方はやめに瓶ビール片手にチルしながら聴きたい。

新東京
最後は日本のバンド。このバンド名からして好きな音楽性じゃないわけがない。
全員20代半ば、ギターレスの4ピースという構成。自分たちですでに法人化するなど、大変そうなことをさらっとやっているのが2020年代の若者らしい。
かっこつけと、自信と、軽やかさのバランスが好き。日本語の歌詞がちゃんと耳に残るところも評価しています。


2023年7月30日日曜日

元気です!

前回の日記から半年経ってしまいました。更新が遅くなりすみません。元気です。
2021年9月に生んだ子どもはもうすぐ2歳で、この1か月で言葉がぐっと達者になり、「ぎーざ!(銀座線)」「ばいきーだ(バイキンマン)」などと言っています。毎日成長の連続で驚き&かわいい。
子を産む前から「よその子の成長ははやいな」と思っていたけど、違うんだわ。すべての子どもは成長がはやい。
調べたらきっと成長曲線の正確なグラフがあると思いますが、本当に急勾配。心身ともにあっというまに乳児~幼児~小学生に変貌していく。中学生くらいになったら多少穏やかになるのかな? なんにしろ、20代以降のそれとは比べ物にならなくて、驚くしかない。大変さはもちろんあるけど、それよりも「ほう、これが噂のイヤイヤ期前兆!」とか「こんな宇宙語を話すのは今だけなんだろうなあ」とか思うと、楽しい気持ちのほうが強いです。こっちも人生の経験値積んでいるので割とドンとしていられるのは、高齢出産のメリットかもしれません。そりゃうるせー!めんどくせー!とは思うけど、「へいへい」と笑って対処できるというか(たまたま今のところ有難いことに心身ともに大きなトラブルがない、というのは前提として)。

一方、仕事は急にこの4月に、ウェブ編集部から書籍編集部に異動になり、古巣とはいえど忙しい日々を過ごしています。
私、今まで自分の会社のこと、社風が合って好きだし、そこそこ結果も出してるし、女だし(それの良し悪しはさておき、ある程度女性を出世させる風潮があると思うので)いずれは幹部になるかもな、それもいいなと勝手に思っていた。んですが、今回けっこう雑な人事をされて、ヒアリングもなしに1歳児がいてフルリモートの仕事からそうじゃない仕事に異動になって、けっこうびっくりした。
なるほど、こういう不条理を感じて人は転職したりするんだな~と思ったりしました。自分はカッとしなかったけど後進のためには人事部に問題提起したほうがよかったかも、とも思った。

そんな不安定な時代、今のところ私が転職を選択肢に入れないのは、副業を始めたからかもしれないです。
なんと、おかげさまで漫画原作者としてデビューしました。2022年5月の日記で微妙なにおわせ予告をしておりましたが、私が担当した漫画原作が1月より連載開始しております。


私は中学生の頃白泉社のヘヴィー読者で、自分でマンガも投稿していて、花とゆめ、LaLaはもちろん別冊もみっちり立ち読みし、さらに新人作家にお手紙という名の批評&感想を送り付けていました。101-0063 千代田区神田淡路町2-2-2…って白泉社の住所も暗記していたほど。

そのうちに作家さんから「担当編集さんより詳しい批評です笑」というお返事をもらったり、自分でも「設定やストーリーを考える方が好き、絵に対するパッションはない」と感じたりして、高校生でモード誌やカルチャー誌を読むようにもなったことから「編集者になろう」と人生目標をシフトしたわけですが、その目標をかなえたあとでも、「人生でいちばんかなえたかった夢は漫画家」とたびたび思っていました。

なので、いろいろな偶然が重なって、36歳でその夢をかなえることができて、本当に驚いているし、とにかくうれしいです。
いや驚いているけど、同時に「がんばるとこういうことあるよな」という達観みたいなのも不思議とあって。自分がそれにふさわしい、というよりは、世の理として、そういうのあるよねって受け入れているような気持ちです。うまく説明できないけど。

2010年から同人誌で小説執筆を始めて、そのクオリティ自体はまあまあだと思うけど、とにかく毎回完結させることは大切にしていました。
漫画原作者の仕事、特にWebtoon(タテカラー)の原作は、「こういうテーマで、こういう要素を入れてつくりましょう」と企画が始まるので、三題噺の派生版だと思います。私は過去に「グリム童話の翻案」とかお題を決めて数日間で書いていたので、お題ありきのシナリオ作成ができる、そして必ず完結させられる、と評価されてお話を振ってもらえたのかなと思うと、すごく光栄で嬉しいことだと思います。

作品は今日7月30日に最新39話が更新されました。いま起承転結の「転」のめっちゃいいところなのでぜひ読んでほしい~! 最新5話分は課金領域ですが、それより前の分は1日1話無料で読めるシステムです。LINEマンガでも同時連載中です。
掲載よりかなり先行して制作しているので、じつはそろそろ最終回を書き終わりそうなんですが、自分にとっても学びのある、なによりとても楽しい経験になりました。

専業作家になりたいとか、自分名義で出版したいとか、そういう大志があるわけではないんだけど(出版はできたらラッキーだけど)、私はやっぱり常になにか書いて発信するのが好きだし、それがどんな形でもいいのかもしれない。書いたもの、企画したものを通して、「サイコ相変わらず元気にやっとるな」と思ってもらえるのが目指すライフワークかな、と最近は思ったりしています。


2023年1月14日土曜日

いつまでも寝てね

あけましておめでとうございます。
本当は、前回の続きで、パーッと明るい告知をしたかったけど、その前にどうしても書くべきことができたから、書くね。

数日前、友達を亡くしました。
書きづらいけど、死因は自死です。
40歳を前に彼女は亡くなりました。

年に1~2回くらい会う友達で、超仲良しかと言われればそうじゃない、でも遡れば12年くらいの付き合いで、お互いの家に行き来もしてたし、信用できる存在で、分かり合えてるなって感じる瞬間がちょこちょこあった。なによりも、サイキッシュが元で知り合った人でした。


もとはMichelle Branch「Hotel Paper」のレビューを検索して、サイキッシュにたどりついてくれて。今はもう彼女のはてなダイアリーは見られないのだけど、そのとき書いてくれた内容が嬉しすぎて、正確な文章は忘れてしまったけど、ニュアンスはずっと覚えています。
"なんだか腑に落ちることばかり書いているなあと思っていたら、年下ということが判明して。そのクレバーさに愕然としながらも、悪い愕然ではなく、こういう人がいることが嬉しかった”
というようなことを書いてくれていて。
そのときメールで返事をしたはずが、なぜか届いてなくて。でもその数年後に、ツイッターでたまたまやりとりして、「あのときのあの人ですよね!?」となって、2011年6月に御茶ノ水で会ったのが付き合いの始まり。
それからSNSでつながり、定期的に会うようになり、フジロック常連組だったので現地では必ず会っていて、コロナ禍でも出産前の2021年6月にアフタヌーンティーして、その後は会えてなかったけど、出産祝いもくれたし、ちょこちょことやり取りしていたので、今は本当に、死が現実と思えなくて、ただ呆けている、そんな状態です。

一方で、確かに、これまでの彼女の言動を考えると、長生きしたくない、生きることに納得していない人だというのは感じていて。会っているときに言い分をまくしたてるような人ではけっしてなかったけど、彼女のツイッターやブログを読む限り、ずっとそういうことを抱いて生きている人なのはわかっていました。

今回、自分で死を選んで、遺書的なメッセージも残されていて、それを読むと、衝動的なことではなく、いろいろと考えた結果だったことは、よくわかります。
おそらく家族あて、友人・知人あてのメッセージがそれぞれ用意されていて、ご遺族がSNSアカウントにログインする手立てもしていたようで、かなり綿密な計画だったのだろうと。
死ぬってかなり大変なことだと思う。それを誰にも悟られずに、一発でやり遂げたことに対して、なんなら、よくやったな、すごいな、やりおったな、とすら感じている部分もあります。
人生って自分の精神と体を使った実験みたいなものだと思う。彼女は40年近い人生で、ずっと試行錯誤した結果、死ぬ以上にいいことはないという結論が出て、それを実現したんだと思います。そのことは、本当によかったと思う。
でも一方で、大切な友達を亡くして、すごくさみしい。
彼女が考え抜いたうえで選んだ結論を支持したい。でもこの「すごいじゃん!」とか「どういうふうに準備したの?」とか、そんな答え合わせをしたかった。死ぬという最大のサプライズ、やりっぱなしじゃつまんないじゃん、一緒に話そうよ……なんて、無理なのに思ってしまう。

今はなき新宿三越のジュンク堂で開催された、雨宮まみさんの初期のサイン会に誘ってくれたね。壊される前のホテルオークラのプールにも一緒に行ったし、リノベーションに興味があって、お互いの家にも行き来した。

もう二度と会えなくても、ときどき「元気?やってる?」「やってるよー」なんてやりとりできたらいいのに。わかっているけど、それができないのが、死ぬということなのが、改めてつらすぎます。

明日、お別れの会が開催されるので、行ってきます。死に顔を見たら、またきっと思うことがあるかな。
ああ、きっと死ぬことは絶対に止められなかっただろうけど、それでも死ぬ前に話したかったな。

眠ることがなにより好きだった人に。どうぞ、ぐっすり、いつまでも寝てね。

2022年6月29日水曜日

(sic)boy、Bialystocks、優河、宇多田ヒカル

HUNTERのレインローファーを買おうか迷っているあいだに、梅雨が明けてしまった。
マジで暑すぎて7月8月を乗りきれる気がしないのですが…? 電力も心配だし物価も上がるし、7月の参院選で暮らしが苦しい状況が変わってほしいけど、与党がだらだら勝ちそうで怖い。

というところから、特に脈略なく、最近聴いている音楽について。
子どもが生まれてから、イヤホンで音楽を聴くことがなくなり、在宅ワーク中にSpotifyをかけっぱなし、というスタイルが主になりました。
会議続きで音楽が聴けない日があるとテンションが下がる。やっぱり常に流れててほしいんじゃ。

・(sic)boy

いま一番聴いてる。すごい好き。
日本人ラッパーなんですが、金髪で黒いアイシャドウ塗ってて、サウンド的にもオルタナティブやミクスチャーの影響が強くて、ポスト・マローンやトラヴィス・スコットに近いことを日本でやっている人だと思います。
インタビューを読むと、なんでも幼少期からのロックスターがHydeだそうで、このビジュアルや世界観にも納得! 確かにラルク感もある。

・Bialystocks(ビアリストックス)

映画作家でもある甫木元空(ボーカル/ギター)と、他のアーティストのサポートやジャズのライブで主に活動している菊池剛(キーボード)からなる2人組バンド。

この曲、タイトルは出オチ感があるんだけど、美しいボーカル、空間性、曲の構成、せつないひっ迫感に、一聴してハマりました。ポップスなんだが、よく聴いていると背景にジャズっぽいピアノの音色や口笛が入ったりする。ほかの曲も悪くないけど、この曲が突出して好きです。

・優河

最新のお気に入り。エゴラッピンをマイルドにしてアコースティック感を足した感じ。歌声にとても説得力があり、派手なプロダクションじゃなくてもきちんと成立している音楽です。

「灯火」という曲が去年、金曜ドラマ『妻、小学生になる。』の主題歌になってたみたいですね。しかも石橋静河のお姉さんらしい。ということは石橋凌と原田美枝子の娘…。私、原田美枝子が大好きなので、気づかずたどり着いてうれしかった。

期せずして紹介した3組、全部日本人になってしまった。意識して聴いているわけではないですが、インディー寄りの邦楽、聴きごたえがあるものが多くなっているなあという印象です。
久しぶりにライブも行きたい。なんとちょうどBialystocksと優河の対バンがあると知って、行くしか!となったけど、すでにチケット売りきれ後だった…。

あと宇多田ヒカル『BADモード』ももちろん買って聴いています。『Fantome』『初恋』は聴いていなかったので、オリジナルアルバムは久しぶり。自分と宇多田のタイミングが合ったという感じでうれしい(でも世間的な評価も割とそういう印象)。
スムースで心地よく、洗練されていて優雅で、身をゆだねて陶酔しそうになるんだけど、落とし穴のように凶暴さや死を思わせる幽玄があって、全然まったりさせてくれない。恐ろしく美しいアルバムだと思います。
曲で特に好きなのは「One Last Kiss」「PINK BLOOD」かな。