先日、globeについて質問される機会がありまして(どんな機会だって話ですが、ちゃんと謝礼が発生するやつ)。
私はglobe全盛期は小学生~中学生で、当時はTSUTAYAで音源をレンタルで聴いていて、ライブも行ったことないような立場なので、回答者としてふさわしいかな…という懸念はありました。が、その後25年間なんだかんだ聴き続けている&カラオケで歌い続けているのは確かで、実際globeについてしつこく語り続けている声の大きい人ってあまりいないので、お話しさせていただくことにしました。
たくさん質問されながら、自分でも思っていなかった「globe考」を引き出してもらえて面白かったので、営業妨害にならない程度にここにも書いてみようと思います。
・globeにどうなってほしいか
新曲を出してほしいですか? と聞かれたとき、「いやー、ぶっちゃけ全員が元気であればそれでいい」と思って。もちろん再結成して音楽活動をしてくれれば一番うれしいけど、KEIKOの病気のことがまずあり、さらに小室哲哉とKEIKOの関係のこじれ方を見れば、能天気に「みんなで仲良くしてほしい!」とは言えないわけで。
そう考えて思い至ったのは、globeというグループは、病気と離婚という口に出すのがはばかられる事情のせいで、はっきり解散もできないままずっと宙ぶらりんになっていて、ファンはそれが何より苦しいのでないかということでした。
誰もが「もう無理だろうな」と思いつつ、公式アナウンスがない以上、葬式をすることもできない。それは他の小室ファミリーにはないしんどさだなと。
同時期に活躍していたといえば、安室奈美恵と華原朋美です。安室ちゃんの活躍ぶりは言わずもがな、引退した今も、LEGENDとしてたびたびその経歴や影響力について言及されています。華原朋美は再始動して、その活動に危うさはあれど、立ち直ろうとしている姿は応援したいと思える。
(そこでいうと、30周年で元気に武道館ライブを果たしたTRFは、バラエティ番組やダンササイズでうまく商売しつつも、音楽グループとしてきちんと形を保っていて、全員無理せず元気そうで、結構理想的な生き残り方かもしれない)
なので、はっきり再結成とかそういうことは望めなくても、globe is still aliveの状態が再確認できるようなことがあればいいなと感じた次第です。
・90年代のあの空気を再発見したい
globeの活動を振り返るとき、楽曲そのもののよさはもちろん、曲が起用されたCMだったり、金のかかったステージやアートワーク、ミュージックビデオだったり、90年代後半のあの雰囲気全体を一緒に思い出すことが多いです。
先の見えない世紀末感と同時に、J-POPバブル最後のギラついた狂乱があった。カラオケカルチャーとも切っても切り離せなくて、煙草の匂いが染みついたカラオケの狭い部屋で、ひび割れた音質でもマイクが音割れしていても成立してしまうあの強度。
また個人的には「BRAND NEW globe 4 SINGLES」シリーズの、洋楽を強烈に意識したミュージックビデオも強い印象を残しています(後年のインタビューを読むと、フィオナ・アップルあたりに影響を受けているらしい)。
今となっては幻のようで、なかなか言語化しづらいあの「空気」を改めて検証したいというか、再発見してみたいという気持ちがあります。インターネット普及前、SNSもない時代だったので、どれだけGoogle検索しても、当時のリアルな感覚にたどり着けない。
GLAYやラルク、もしくはミスチルなんかのロック系のアーティストであれば、音楽雑誌のバックナンバーをあたれば資料やインタビューもたくさん見つかると思うんですが、globeってあれだけ売れていたのに(売れていたからこそ?)批評的な文脈から離れていた。でも「流行曲だから」「水物だから」と時代と一緒に消費したままで終わるには、あまりにも潜在的影響力が高かったと思うんです。
きっと口に出していないだけで、globeの影響を受けているもの、ことってあると思う。私自身がその証左なので。今、令和の時代に、もっと語り合いたい~!
ていうか改めて今回探してみたけど、マジでglobeについて言及している人って少ないんですよね。そもそもSEO的にもglobeって単語じゃ検索ハードルが高すぎて。
デビュー当初はあえてビジュアルを公開しておらず、匿名性の高いグループだった経歴と、不思議に符号したりするような気もするけど。