2011年7月18日月曜日

文芸あねもね

前の記事で、サイキッシュ読者アンケートに寄せられたコメントに、お返事をお返ししました。
結構分量があって、一度目の更新では漏れがあったので、加筆修正しています。
それでもまだ「自分のが載ってない!」という方がいらっしゃったら、メールかBBSでお知らせくださいませ。
ご協力どうもありがとうございました!

Bloggerって、アクセス元の統計とかが簡単に見られるようになってるんですけど
さっき見たら、イギリス、アメリカあたりはまあわかるとしても
ドイツ、ブラジル(これは見当がつきますが)、オーストラリアと
世界各国から思わぬアクセスを頂いていて、超びっくりした。
単純に画像検索とかでたまたま来ただけの外国人とかもいるだろうけど。
あと、みんな結構iPhoneやAndroidから見ているんだなという。
私はいつまでガラケーなのだろう・・・
それ以前に、地デジ化すらまだしてないからな!(もう間に合いません)

そんなガジェット未開地な私ですが、突発的に欲しくなってるのがiPadかKindle。
理由は、電子書籍を購入したからです。
東日本大震災復興支援・チャリティ小説同人誌『文芸あねもね』













「女による女のためのR-18文学賞」の歴代受賞者を中心とした、アンソロジー。
執筆陣は、彩瀬まる・豊島ミホ・蛭田亜紗子・三日月拓・南綾子・宮木あや子・山内マリコ・山本文緒・柚木麻子・吉川トリコの10名。
直木賞作家の山本文緒、休筆していた豊島ミホといった面々が集まって、380円は安い!
収益はすべて東日本大震災の支援におくられるとのこと。
イラストや装丁がガーリィで凝っているところもいいです。

全編面白かったですが、特に印象に残っているのは以下。

「アメリカ人とリセエンヌ」山内マリコ
主人公が通う地方の大学に、アメリカの片田舎から留学しているブレンダ。
ふたりの女の子の、恋愛やセックスや映画や地元に関する、生々しいおしゃべりがすごくいい。
ガールトークは国境を超える!
テンポがよくて笑えるんだけど、終盤、もしアメリカ人に生まれていたら・・・という主人公の想像でちょっと雰囲気が変わり
ラスト、想像から一気に現実に戻る瞬間がせつなくて印象的だった。

「二十三センチの祝福」彩瀬まる
ほとんどの作品が若い女を主人公にしているなか、この作品の主人公はバツイチの30男。
“どこかの街の片隅”で繰り広げられる人間模様が、繊細かつしっかりとした筆致で書かれていて好感を持った。
靴を直す、という行為が主人公とヒロイン(?)を繋ぐキーワードとして出てくるんだけど、
地に足付いた行為であると同時に、どこかフェティッシュな色っぽさもある。
悲しいお話かと思いきや、いい意味で裏切るさりげないラストも素敵。

「私にふさわしいホテル」柚木麻子
去年紹介した『終点のあの子』の作者の新作。面白いという点ではピカイチ!
作家の聖地・山の上ホテルを舞台に、どうしても文芸誌に載りたい野心あふれる新人作家の女の子と
大御所作家、担当編集者の騙し・騙されが繰り広げられる。
文芸誌の名前が『小説ばるす』って!
ライトなユーモア、サクサクとしたテンポ、小ネタの充実など、三谷幸喜を彷彿とさせた。
これは是非舞台化してもらいたい。

「ばばあのば」南綾子
売れない小説家の“私”が、ある日出会った不気味な老婆の正体は、25年後の55歳の自分!?
ユーモラスな「世にも奇妙な物語」って趣きで、これまた小ネタが充実。
“人生と女”にまつわる格言が頻出で、かなり笑える&身にしみる。
「オクテな男って、そもそもこの世に存在するのだろうか。
もてない女がもてない言い訳のかわりに生み出した、幻想なのではないか」
あるあるあるあるある!