2026年5月17日日曜日

『セックス・エデュケーション』で「With Or Without You」は2度流れる

 突然ですが、『セックス・エデュケーション』シーズン4・エピソード6の話をさせてくれ~~(本当に唐突だな)。

『セックス・エデュケーション』はNetflix制作の連続ドラマで、セックスセラピストの母を持つ内気な男子高生・オーティスが、自らも学園内でセラピストとして活動を始めることで巻き起こる騒動を描いた青春コメディ。2023年にシーズン4で完結しています。

とても評判がいいドラマなのでご存じの方も多いと思います。私も育休中に見始めて、なんて面白いの!とシーズン3まで見たんですが、シーズン4は見るタイミングを失っていたんですよね。1話が1時間超と長めなので、小さい子どもがいるとなかなか時間がとれずで。
でもようやく今年になってからシーズン4を見始めたんですが、毎話やっぱり面白えな~~と感心しています。

本作の特徴として
・群像劇で、いくつかのエピソードが同時進行していくこと
・ラストに必ず次の話への強いフックがあること
・感情を揺さぶる展開(いい方にも悪い方にも)が詰まっていること
・キャラクターがどんどん変化していくこと
があると思うのですが、漫画原作者の視点から見ても勉強になることばかりです。

特にキャラクターの変化には驚かされます。シリーズを通して、キャラクターが意外な人と恋愛関係になって、別れて、今度はまた違う意外な相手と…みたいな展開もあるんですが、びっくりするけど納得感もあるというか。
特に素晴らしいのがアダム、エイミー、ルビーのキャラクターアークだと思っていて、いじめっ子で嫌な奴だったアダムが、バイセクシャルであることに気づき、失恋、両親の別離を経て、不器用ながらゆっくり成長していく姿には胸を打たれますし、当初「おバカな可愛い女の子」の役割が強かったエイミーが、性被害にあったことで自分なりのフェミニズムに目覚めて自己表現の手段を得ていく姿は応援したくなります。
そしてルビー! 当初は性格の悪い「学園の女王様」として描写されていた彼女が、最終シーズンに至るまで、こんなに物語にからんでくるとは。オーティスのことが好きなのに振り向いてもらえなくて、オーティスの本命は最初から最後までメイヴで、でも頼られると放っておけなくて、オーティスのために一肌脱ぐ…なんつういい女なんや。エピソード6のラストはまさにルビーが一皮むける瞬間で終わっていて、震えました。

で、今このエピソード6まで見終わったんですが、これが本当にすごい回だった!
ヒロイン・メイヴの母の葬儀というシリアスな回なんですが、葬儀という舞台装置は登場人物を一か所に集める役割もあり、それを生かしています(『ゴッドファーザー』における冒頭の結婚式と同じですな)。
薬物中毒でいわゆる「毒親」だった母の葬儀ということで、メイヴは複雑な気持ちで臨みます。しかも同じく薬物中毒の兄が遅刻してきて、「最悪な母親ぶり」を暴露して、葬儀の雰囲気を壊してしまう。一時中断し、逃げたメイヴが戻ってきて、用意してきた言葉ではなく、即興で母へのリアルな想いを弔辞として読む、という非常に魅せる展開です。

母が好きな曲だったということで、葬儀の冒頭でU2の「With Or Without You」の導入が流れる。まずここで視聴者に「おっ!」と期待させておきながら、音響の接続不良で切れてしまう(コメディ要素)。
しかしメイヴの感動的なスピーチのあと、参列していた母校の先生(音楽クラブの指導者でもあった)が、「よし!」と、会場のピアノで「With Or Without You」を弾き語りする。


このおかげで、普通に音源をかけるよりも印象的で感動的なシーンになっているし、葬儀という舞台設定のおかげで、久しぶりにこの先生が登場することも自然な流れになっていて、シリーズ最初から見ていたファンへのサービス的な役割もある。本当に素晴らしい、よく練られた脚本と演出だと思いました。

隠れていたメイヴを説得して連れ戻すのが、主人公のオーティスや親友のエイミーではなく、メイヴの隣人で元彼でもある、車椅子のアイザックというのもいい。皮肉屋なアイザックだけど、メイヴと同じく複雑な家庭で育ってきた彼だからこそ、「壊れた家庭の子どもがどんな思いをしているのかみんなは知らない」「だから君がスピーチするんだ」と勇気づける。さまざまな登場人物がいて、役割がかぶらず、それぞれ最適な行動をする。このキャラクターの書き分けも勉強になります(そして私はお察しのとおり、アイザックが大好きなのだった)。

最終回まであと2話だ。見終わるのがもったいないけど楽しみすぎる~!

2025年7月1日火曜日

Saicish、移行しました

というわけで、fc2web版のSaicishは、昨日6月30日に消滅しました。
といいつつ私のPCではまだ見えるんだけど、きっとこれはキャッシュのはず。
私はというと、6月28日から大急ぎで移行作業を始めて、なんとか音楽レビュー、音楽ランキング、映画レビュー、タイムショック出場記やファッション甲子園出場記(両方とも、執筆したのはなんと2002年だった…!)などの主要な文章をせっせと移しました。
こちらが新生SaicishのTOPページで、archivesというボタンから、過去記事のログ貯め置き場が見られます。こちらもカテゴリーごとに整理するページをつくりたいと思っていますが、とりあえずはなんとか。
STYLEという名前のカテゴリに掲載していた、各アワードやセレブに関するファッションのページは、やはり写真ありきの構成なので、移行はしないことにしました。
リンジー・ローハンとかキルスティン・ダンストとかエマ・ストーンとか、当時の私がめちゃくちゃ気合い入れて書いていたのを思い出して感慨深くなりましたが、自分にとっても彼女たちにとっても長く残すものでもないような気もし、終わりにいたします。

BBSもなくなりました。
その代わりこのブログのコメント機能を開放しましたので、今後はなにかあればこちらに都度書き込んでいただければと。
またTOPページのcontactボタンからも、私に直接連絡する機能があります。

ひとまず移行に関してはこんなところ!
このブログをPCで見ると、上記の新生Saicishのリンクが表示されるけど、スマホ版だとデフォルトでは表示されないようなので、ますますSaicishそのものにたどり着きにくいだろうなとは思いつつ。
音楽対談とか、ミッチーの曲への想いとか、旅行記とか、あまりにも無邪気な10~20年前の書きっぷりに恥ずかしくなったけど、コンプライアンス的に本当に載せてまずそうな箇所以外は忠実に転載したので、この機会にまた見ていただけると嬉しいです。
あと未完の大作・タイムショック出場記の最後も少しだけ追記したので、よかったらご覧くださいませ。

2025年6月28日土曜日

書けてよかった

fc2webの SAICISH消滅直前のせいか、執筆がはかどる…
311の直後と、伯母が危篤のときのことを思い出す。生物としての危機を感じるときほど妙に食欲が増したものでした。
ということは、サイトが消滅するということは、自分の文章の命の消滅の危機なのか。同じラインで比べるものじゃないとは思いつつ、なんかそんなことを考えてしまいます。

私はこのサイコ名義のSAICISHのほかに、別名義(ガから始まる名前)のツイッター、note、Voicy、その名義で参加しているウェブマガジン、さらに別名義(佐から始まる名前)の「小説家になろう」を主に運営しています。プラス、小説家になろうと同じ名義で漫画原作もやっていて。
ガ~名義と佐~名義のつながりは隠してはおらず、リンクとかは張っていないけど検索すれば「小説家になろう」のページもすぐわかるので、本当に独立しているのはこのサイコ名義だけかな。
ここのつなげ具合について、あんまりはっきり書いてこなかったけど、たまたま検索とかして気づく人は気づくだろうし、それは仕方ない(というかそこまで見てくれて嬉しい)。でもツイッターは大多数が見すぎているし仕事の知り合いも多いので、そこにプライベートのサイコをわざわざ接続する必要はない、という気持ちでやっています。

数えてみたら、14歳、2000年からインターネットに文章を発信し続けているので、今年2025年がまさに25周年、四半世紀なんですよね。
私の寿命が85歳としても、最初の14年と79歳~85歳の6年(PC打てなくなるかもという前提)を引くと60年分のうちの25年なので、半分近くは過ぎたことになる。しかも、一般的に書き盛り(そんな言葉ないけど)の若い時代が過ぎた。

この1週間SAICISHの原稿整理をして、膨大なアーカイブにまつわる思い出に浸っていたところ、本当にたまたまなんですが、フィクションの創作物に関するフィードバックも立て続けに2つあって。

ひとつは、土曜にミッチーのワンマンショーで。おなじみ、マッチーさんと一緒に渋谷の会場に参加していたのですが、ライブで久しぶりにとある懐かしい曲(ネタバレになるので書きませんが、セカンドアルバム『嘘とロマン』の重要曲)をやったんですよね。
帰宅後にマッチーから「サイコちゃんが原作を書いてる漫画のキャラクターを想像しながら聴いていたよ」と連絡をもらって。しかもそのキャラクター、主人公ではなく、ヒーロー(男)とライバル役(女)だったんです。
私もライブで演奏を聴きながら、別の曲や小説を連想することはよくするけど、実際に自分が書いた作品が、しかもミッチーのワンマンショーで連想してもらえるなんて思ってもみなくて。
あと、私は作者なので、当て馬役であるライバルの女の子についても思い入れがあるのですが、今のところ意地悪な恋敵なので、一般的にはそんなに歓迎されないキャラクターです。今後いいところを出していくつもりですが、まだ予兆しか出していないので、この段階でマッチーがそうやって物語の機微を汲み取って、ミッチーの大事な曲とつなげてくれたことに、純粋に感動してしまいました(そもそも最新話まで課金して読んでくれてほんまにありがとう…)。

もうひとつ、私が小説家になろうで2011年に書いた「キセル」という中編小説があります。手ごたえのあった作品で気に入っていますが、結構地味な話でもあり、なんといってももう15年近く前の作品なので、今更新規で読んでもらうのはあまり期待できない状況…だったのですが、今週いきなり感想がついてたんですよ。
小説家になろうに投稿したことがある人はわかると思いますが、何の気なしにMYページを開いて、「書かれた感想があります」の赤い文字が目に飛び込んでくると、本当にびっくりするよ!
読むと、とっても真摯で嬉しい感想が書かれていて、めちゃくちゃ嬉しい&感慨深くなりました。
「キセル」は三部作の2番目で、3番目の作品をずーっと書けずにいるんだけど、そろそろ本腰入れて書こうかなと考えだしていたタイミングだったので、その引き合わせに勝手に霊感を見出したりもした。

そんなことが続いたので、ああ私、書けてよかった、書き続けてよかったと改めて感じ入っています。
言葉っていちばんシンプルな伝達手段であり、この記事だってメモ帳に保存したらたぶん2KBとかでしょ? 音声や動画ならこうはいかない。
言葉、文章の実態の薄さみたいなものを寄る辺ないと感じることもあるけど、それが同時に強さでもあり。遠い昔に書いたものでも、漫画原作という形で変形してアウトプットしたものでも、言葉が誰かの心に届く。本当にかけがえのないことだと思います。大袈裟に聞こえるかもしれないけれど、私自身の生きる力になる。

前も書いたけど、私はやっぱり常になにか書いて発信していたいし、それはもう好きとかじゃなくて呼吸に近いもの、自分が天から与えられた属性だと思っている。
もっとうまくなりたい、もっと読み手を喜ばせたいみたいな気持ちも当然ありつつ、言ってしまえば本当に自分が生きることと不可分だからやっている。
SAICISHというサイトの形がいったんなくなることは残念だけど(記事の転載どこまでやれるか…あまり期待せずにお待ちください)、私必ずどこかで書いて発信しているので、ラジオの周波数を合わせるみたいに、何度でも出会ってください。よろしくお願いします。

2025年6月21日土曜日

新しいサイトをとりあえずつくってみた

前回のfc2webサービス終了の話の続きです。

結局5月は仕事が忙しくて全然時間がとれず、6月になってやっとサイト移行に取り掛かろうとしたのですが、肝心のfc2webそのものがサーバー落ちが続いていて、ファイルマネージャーにアクセスできなくて……
とりあえず最低限のことだけでもと思い、SAICISHの各ページを普通に「名前をつけて保存」し、自分のパソコンとクラウドには保存し終わりました。

そして今日、移行先の新SAICISHのトップページだけをなんとかつくってみました。

https://saicish.my.canva.site/

本当はfc2ホームページにしたかったんだけど、なんかもう使い方が全然わからなくて、テンプレートとかもあるけどうまく調整できなくて、Wordpress版も登録してみたけど使いこなせる気がしなくて……
10代の頃はhtmlタグ打ちしてたのにな! あの世代の中高生、平気でhtml書いてたの今考えると本当すごいよ。

というわけで、とりあえずcanvaでトップページだけ設定したけど、膨大な記事のアーカイブをどうするか。
ほぼ文字なのでcanvaでひとつひとつテキストページを作成していくのはあまり現実的でなく、外部ブログやnote的なところにどんどん再投稿していくのがいちばんラクなんだけど、サイトとしての網羅性は確保できないよなぁ…とか。
まあ今更新規で来る方もほとんどいないと思うので、時系列も無視してひたすら各記事をアップしていって、タグとかつけて、探したい人はタグから読みたい記事をたどってくださいとするのか。
あちこちのドメインをとるのも面倒なので、過去記事はこのブログに、古い日時設定でどんどん投稿していく手もあるかな?と思っていますが、実際どうするかは未定。

というわけで、前回も書きましたが、SAICISHで今後も読みたい記事がある方は、ぜひダウンロードしてお手元においていただければと思います。
私も今回のタイミングで全記事改めて確認したけど、さすがsince 2001、めちゃくちゃ記事溜まってるな~~と気が遠くなった。
特に10代の頃に書いたものはかなり恥ずかしいので、もう移行しなくていいかなという気もするけど、でもその時にしか書けないものでもあるし、完全になくすのは惜しい気もするし。

今日はちょうどミッチーのワンマンショーツアー@渋谷LINE CUBEにも行ってきて、めちゃくちゃ楽しかったです。しかも初期のレア曲を結構やってくれて。
このサイトの歴史はほぼベイべとしての歴史でもあるので、非常に感慨深かったと同時に、90年代や00年代のリバイバルが起きている今、ミッチーの音楽性についても改めて語る場があってもいいのではと思った。アーティストとしてはあまり批評の土壌にのってこなかった人だと思うので、なおさら。

2025年5月2日金曜日

fc2webがサ終してしまう

皆さま~! サイコです。
さっそくですが、私は元気なんですが、saicishが存続の危機よ。
というのも、サーバーを借りていたfc2webが2025年6月末でサービス終了(サ終)してしまうから……!

2000年に開設したこのサイト、気づけばもう25年経つんですね……って、今PC打ちながらビックリしちゃった。四半世紀やんけ。
そりゃ女子高生だった私も40歳目の前になるわけです。
確か最初はinfoseek iswebを使っていて、サ終にともない途中でfc2webに移転したのですが、そのfc2も終わりかあ……。
10年代くらいまでは、「一度ネットにアップしたものは半永久的に残り続ける」的な言説がまかりとおっていて、実際それは真実だと思うんですけど、一方で検索アルゴリズムの変化などで、今当時のサイトのアーカイブってぐぐってもなかなかたどり着けないですよね。
今回みたいにサービスそのものがなくなったら、web魚拓とか取っていない限りデータそのものも消えていくし。
それこそsaicishだって、昔はGoogleで検索すると何ページにもわたって結果が出ていたけど、いま試しにやってみたら5件しかヒットしなかった。
ちなみに、たま~にエゴサーチしていると、「○○ 歌詞」で流入してくることはあるみたい。
(アラニス・モリセットの「Hands Clean」の和訳と、ミッチーの「ペンフレンド」について書いた20歳のときの記事は、ちょこちょこTwitterで感想を書いてくれている人がいる。ありがとうございます)

fc2webからはfc2ホームページという別のサービスに移管できるようなのですが、まだ作業時間がとれておらず。
そしてそもそも、ログインIDやパスワード自体も怪しい……。
なんとか5月中に作業したいと思っていますが、写真関係は取り扱うの大変だし、文字だけになるかな~という気がしています。それすらうまくいくかもやや不安なので、もし「この記事は手元においておきたい」という方がいれば、ご自身のデバイスに落としておいてくださいね。

このブログ自体は変更ありませんので、何かあればこちらでお知らせしていきます。

そういえば漫画原作の第2弾が、昨年末からスタートしています!
今回は、がんばりやヒロイン×不器用メガネ王子の明るいラブコメ。絵も現代的でとってもかわいいので、ぜひ読んでいただけると嬉しいです。

いや~しかしサイト移管、マジでできるかな。不安だ~!

2024年8月25日日曜日

2024年にglobeに求めること

先日、globeについて質問される機会がありまして(どんな機会だって話ですが、ちゃんと謝礼が発生するやつ)。

私はglobe全盛期は小学生~中学生で、当時はTSUTAYAで音源をレンタルで聴いていて、ライブも行ったことないような立場なので、回答者としてふさわしいかな…という懸念はありました。が、その後25年間なんだかんだ聴き続けている&カラオケで歌い続けているのは確かで、実際globeについてしつこく語り続けている声の大きい人ってあまりいないので、お話しさせていただくことにしました。

たくさん質問されながら、自分でも思っていなかった「globe考」を引き出してもらえて面白かったので、営業妨害にならない程度にここにも書いてみようと思います。

・globeにどうなってほしいか

新曲を出してほしいですか? と聞かれたとき、「いやー、ぶっちゃけ全員が元気であればそれでいい」と思って。もちろん再結成して音楽活動をしてくれれば一番うれしいけど、KEIKOの病気のことがまずあり、さらに小室哲哉とKEIKOの関係のこじれ方を見れば、能天気に「みんなで仲良くしてほしい!」とは言えないわけで。

そう考えて思い至ったのは、globeというグループは、病気と離婚という口に出すのがはばかられる事情のせいで、はっきり解散もできないままずっと宙ぶらりんになっていて、ファンはそれが何より苦しいのでないかということでした。

誰もが「もう無理だろうな」と思いつつ、公式アナウンスがない以上、葬式をすることもできない。それは他の小室ファミリーにはないしんどさだなと。

同時期に活躍していたといえば、安室奈美恵と華原朋美です。安室ちゃんの活躍ぶりは言わずもがな、引退した今も、LEGENDとしてたびたびその経歴や影響力について言及されています。華原朋美は再始動して、その活動に危うさはあれど、立ち直ろうとしている姿は応援したいと思える。

(そこでいうと、30周年で元気に武道館ライブを果たしたTRFは、バラエティ番組やダンササイズでうまく商売しつつも、音楽グループとしてきちんと形を保っていて、全員無理せず元気そうで、結構理想的な生き残り方かもしれない)

なので、はっきり再結成とかそういうことは望めなくても、globe is still aliveの状態が再確認できるようなことがあればいいなと感じた次第です。

・90年代のあの空気を再発見したい

globeの活動を振り返るとき、楽曲そのもののよさはもちろん、曲が起用されたCMだったり、金のかかったステージやアートワーク、ミュージックビデオだったり、90年代後半のあの雰囲気全体を一緒に思い出すことが多いです。

先の見えない世紀末感と同時に、J-POPバブル最後のギラついた狂乱があった。カラオケカルチャーとも切っても切り離せなくて、煙草の匂いが染みついたカラオケの狭い部屋で、ひび割れた音質でもマイクが音割れしていても成立してしまうあの強度。
また個人的には「BRAND NEW globe 4 SINGLES」シリーズの、洋楽を強烈に意識したミュージックビデオも強い印象を残しています(後年のインタビューを読むと、フィオナ・アップルあたりに影響を受けているらしい)。


今となっては幻のようで、なかなか言語化しづらいあの「空気」を改めて検証したいというか、再発見してみたいという気持ちがあります。インターネット普及前、SNSもない時代だったので、どれだけGoogle検索しても、当時のリアルな感覚にたどり着けない。

GLAYやラルク、もしくはミスチルなんかのロック系のアーティストであれば、音楽雑誌のバックナンバーをあたれば資料やインタビューもたくさん見つかると思うんですが、globeってあれだけ売れていたのに(売れていたからこそ?)批評的な文脈から離れていた。でも「流行曲だから」「水物だから」と時代と一緒に消費したままで終わるには、あまりにも潜在的影響力が高かったと思うんです。

きっと口に出していないだけで、globeの影響を受けているもの、ことってあると思う。私自身がその証左なので。今、令和の時代に、もっと語り合いたい~!

ていうか改めて今回探してみたけど、マジでglobeについて言及している人って少ないんですよね。そもそもSEO的にもglobeって単語じゃ検索ハードルが高すぎて。
デビュー当初はあえてビジュアルを公開しておらず、匿名性の高いグループだった経歴と、不思議に符号したりするような気もするけど。

2024年5月16日木曜日

2024年5月に聴いている音楽など

うわ~~気がついたら2024年になっていた~~~
というわけでお久しぶりです、サイコです。
ブログをなかなか更新しないのは、忙しいとかもあるけど、明確な理由があって、普段使いのPCが起動しにくい状況だからなんですよね。
今、会社PCはノートで、家にいる間は基本それを開きっぱなしにしていて、私物のPCは格納してしまっていて。よほど個人情報を扱うような作業をするときは私物PCを取り出すんだけど、たいてい会社PCとスマホで事足りてしまうので、サイキッシュにログインすることもなく、日々が過ぎてしまっていくというわけです。

こんな体たらくだから、ごく限られた人がたまに訪れてくれるレベルだと思うし、最近はもうGoogle検索にも引っかかりにくくなっているし、もともとURLを知っている人しか見ないサイト&ブログになっていると思いますが、サイキッシュは私にとってのMessage In A Bottle、世界に向かって飛ばす落書きの裏紙でつくった紙飛行機のようなものなので、生きている限りはどれだけ不定期でも更新していきたい。

とはいえ今日は長文を書くほどの余裕はないので(子どもにYouTubeを見せながら、マンションの理事会に出かけた夫が帰宅するのを待っている)、肩慣らし的に、最近聴いている音楽など。
今ほとんどSpotifyで雑多に流し聴きしていますが、お!と思った曲やアーティストは集中的に聴いたり、個別に買ったりしています。

WILLOW

ウィル・スミスの娘…という肩書はもう完全にいらんやろ。デビュー曲「Whip My Hair」の時から地味に好きだったんですが、HIP HOPからどんどんロックやエモの方向に舵取りしていって、音楽はもちろんたたずまいが本当に格好いい女の子だなと感心している。
新アルバム『e m p a t h o g e n』はさらにオルタナティブジャズを自分なりにものにしていて、アルバムとしては過去一番好きです。
このTiny Desk Concertのライブ映像も素晴らしくて、特に最後の「Big Feelings」の歌唱に惹き込まれた。歌の力が強い。

Jordan Rakei
もともと、「なんとなく好きなタイプの、現代UKジャズの人」くらいの認識だったんですが、4月に出た最新作『THE LOOP』がめちゃくちゃいい!
広がりのあるサウンドスケープ、ストリングス隊の芳醇な演奏、肩の力が抜けた歌唱がとにかく気持ちがいい。アルバム全編にわたって「希望」がコンセプトとなっているそうで、本人の中でもブレイクスルーがあったんだろうな、いま音楽やるのがとにかく楽しいんだろうなと感じられる。

Gracie Abrams
この「Risk」という曲、キャッチーで勢いがあって、少し切なさもあって、力強くて声がクリアで綺麗で…久しぶりにこんな直球の売れそうなガールロックを聴いたよ! と思ってアーティストを確認したら、テイラー・スウィフトのツアーに帯同していると知って納得、さらになんと映画監督J.J.エイブラムスの娘さんだと知って驚き!
ルックスもいいし、おそらくニューアルバムは売りにかかってくると思う。ポップスターになる覚悟を感じる。

temp.
タイのバンド。トロピカルポップバンドと称されるとおり、メロウでムーディー、甘ったるいボーカルが特徴的。こちらは今年出た新曲。まったりすぎる感もあるけど、いいですね。
曲単体としては4年前に出たこれが特に好きかな。ゴージャスだけどレイドバックした感じ、女性ボーカルとの絡みも気持ちがよく、夕方はやめに瓶ビール片手にチルしながら聴きたい。

新東京
最後は日本のバンド。このバンド名からして好きな音楽性じゃないわけがない。
全員20代半ば、ギターレスの4ピースという構成。自分たちですでに法人化するなど、大変そうなことをさらっとやっているのが2020年代の若者らしい。
かっこつけと、自信と、軽やかさのバランスが好き。日本語の歌詞がちゃんと耳に残るところも評価しています。


2023年7月30日日曜日

元気です!

前回の日記から半年経ってしまいました。更新が遅くなりすみません。元気です。
2021年9月に生んだ子どもはもうすぐ2歳で、この1か月で言葉がぐっと達者になり、「ぎーざ!(銀座線)」「ばいきーだ(バイキンマン)」などと言っています。毎日成長の連続で驚き&かわいい。
子を産む前から「よその子の成長ははやいな」と思っていたけど、違うんだわ。すべての子どもは成長がはやい。
調べたらきっと成長曲線の正確なグラフがあると思いますが、本当に急勾配。心身ともにあっというまに乳児~幼児~小学生に変貌していく。中学生くらいになったら多少穏やかになるのかな? なんにしろ、20代以降のそれとは比べ物にならなくて、驚くしかない。大変さはもちろんあるけど、それよりも「ほう、これが噂のイヤイヤ期前兆!」とか「こんな宇宙語を話すのは今だけなんだろうなあ」とか思うと、楽しい気持ちのほうが強いです。こっちも人生の経験値積んでいるので割とドンとしていられるのは、高齢出産のメリットかもしれません。そりゃうるせー!めんどくせー!とは思うけど、「へいへい」と笑って対処できるというか(たまたま今のところ有難いことに心身ともに大きなトラブルがない、というのは前提として)。

一方、仕事は急にこの4月に、ウェブ編集部から書籍編集部に異動になり、古巣とはいえど忙しい日々を過ごしています。
私、今まで自分の会社のこと、社風が合って好きだし、そこそこ結果も出してるし、女だし(それの良し悪しはさておき、ある程度女性を出世させる風潮があると思うので)いずれは幹部になるかもな、それもいいなと勝手に思っていた。んですが、今回けっこう雑な人事をされて、ヒアリングもなしに1歳児がいてフルリモートの仕事からそうじゃない仕事に異動になって、けっこうびっくりした。
なるほど、こういう不条理を感じて人は転職したりするんだな~と思ったりしました。自分はカッとしなかったけど後進のためには人事部に問題提起したほうがよかったかも、とも思った。

そんな不安定な時代、今のところ私が転職を選択肢に入れないのは、副業を始めたからかもしれないです。
なんと、おかげさまで漫画原作者としてデビューしました。2022年5月の日記で微妙なにおわせ予告をしておりましたが、私が担当した漫画原作が1月より連載開始しております。


私は中学生の頃白泉社のヘヴィー読者で、自分でマンガも投稿していて、花とゆめ、LaLaはもちろん別冊もみっちり立ち読みし、さらに新人作家にお手紙という名の批評&感想を送り付けていました。101-0063 千代田区神田淡路町2-2-2…って白泉社の住所も暗記していたほど。

そのうちに作家さんから「担当編集さんより詳しい批評です笑」というお返事をもらったり、自分でも「設定やストーリーを考える方が好き、絵に対するパッションはない」と感じたりして、高校生でモード誌やカルチャー誌を読むようにもなったことから「編集者になろう」と人生目標をシフトしたわけですが、その目標をかなえたあとでも、「人生でいちばんかなえたかった夢は漫画家」とたびたび思っていました。

なので、いろいろな偶然が重なって、36歳でその夢をかなえることができて、本当に驚いているし、とにかくうれしいです。
いや驚いているけど、同時に「がんばるとこういうことあるよな」という達観みたいなのも不思議とあって。自分がそれにふさわしい、というよりは、世の理として、そういうのあるよねって受け入れているような気持ちです。うまく説明できないけど。

2010年から同人誌で小説執筆を始めて、そのクオリティ自体はまあまあだと思うけど、とにかく毎回完結させることは大切にしていました。
漫画原作者の仕事、特にWebtoon(タテカラー)の原作は、「こういうテーマで、こういう要素を入れてつくりましょう」と企画が始まるので、三題噺の派生版だと思います。私は過去に「グリム童話の翻案」とかお題を決めて数日間で書いていたので、お題ありきのシナリオ作成ができる、そして必ず完結させられる、と評価されてお話を振ってもらえたのかなと思うと、すごく光栄で嬉しいことだと思います。

作品は今日7月30日に最新39話が更新されました。いま起承転結の「転」のめっちゃいいところなのでぜひ読んでほしい~! 最新5話分は課金領域ですが、それより前の分は1日1話無料で読めるシステムです。LINEマンガでも同時連載中です。
掲載よりかなり先行して制作しているので、じつはそろそろ最終回を書き終わりそうなんですが、自分にとっても学びのある、なによりとても楽しい経験になりました。

専業作家になりたいとか、自分名義で出版したいとか、そういう大志があるわけではないんだけど(出版はできたらラッキーだけど)、私はやっぱり常になにか書いて発信するのが好きだし、それがどんな形でもいいのかもしれない。書いたもの、企画したものを通して、「サイコ相変わらず元気にやっとるな」と思ってもらえるのが目指すライフワークかな、と最近は思ったりしています。


2023年1月14日土曜日

いつまでも寝てね

あけましておめでとうございます。
本当は、前回の続きで、パーッと明るい告知をしたかったけど、その前にどうしても書くべきことができたから、書くね。

数日前、友達を亡くしました。
書きづらいけど、死因は自死です。
40歳を前に彼女は亡くなりました。

年に1~2回くらい会う友達で、超仲良しかと言われればそうじゃない、でも遡れば12年くらいの付き合いで、お互いの家に行き来もしてたし、信用できる存在で、分かり合えてるなって感じる瞬間がちょこちょこあった。なによりも、サイキッシュが元で知り合った人でした。


もとはMichelle Branch「Hotel Paper」のレビューを検索して、サイキッシュにたどりついてくれて。今はもう彼女のはてなダイアリーは見られないのだけど、そのとき書いてくれた内容が嬉しすぎて、正確な文章は忘れてしまったけど、ニュアンスはずっと覚えています。
"なんだか腑に落ちることばかり書いているなあと思っていたら、年下ということが判明して。そのクレバーさに愕然としながらも、悪い愕然ではなく、こういう人がいることが嬉しかった”
というようなことを書いてくれていて。
そのときメールで返事をしたはずが、なぜか届いてなくて。でもその数年後に、ツイッターでたまたまやりとりして、「あのときのあの人ですよね!?」となって、2011年6月に御茶ノ水で会ったのが付き合いの始まり。
それからSNSでつながり、定期的に会うようになり、フジロック常連組だったので現地では必ず会っていて、コロナ禍でも出産前の2021年6月にアフタヌーンティーして、その後は会えてなかったけど、出産祝いもくれたし、ちょこちょことやり取りしていたので、今は本当に、死が現実と思えなくて、ただ呆けている、そんな状態です。

一方で、確かに、これまでの彼女の言動を考えると、長生きしたくない、生きることに納得していない人だというのは感じていて。会っているときに言い分をまくしたてるような人ではけっしてなかったけど、彼女のツイッターやブログを読む限り、ずっとそういうことを抱いて生きている人なのはわかっていました。

今回、自分で死を選んで、遺書的なメッセージも残されていて、それを読むと、衝動的なことではなく、いろいろと考えた結果だったことは、よくわかります。
おそらく家族あて、友人・知人あてのメッセージがそれぞれ用意されていて、ご遺族がSNSアカウントにログインする手立てもしていたようで、かなり綿密な計画だったのだろうと。
死ぬってかなり大変なことだと思う。それを誰にも悟られずに、一発でやり遂げたことに対して、なんなら、よくやったな、すごいな、やりおったな、とすら感じている部分もあります。
人生って自分の精神と体を使った実験みたいなものだと思う。彼女は40年近い人生で、ずっと試行錯誤した結果、死ぬ以上にいいことはないという結論が出て、それを実現したんだと思います。そのことは、本当によかったと思う。
でも一方で、大切な友達を亡くして、すごくさみしい。
彼女が考え抜いたうえで選んだ結論を支持したい。でもこの「すごいじゃん!」とか「どういうふうに準備したの?」とか、そんな答え合わせをしたかった。死ぬという最大のサプライズ、やりっぱなしじゃつまんないじゃん、一緒に話そうよ……なんて、無理なのに思ってしまう。

今はなき新宿三越のジュンク堂で開催された、雨宮まみさんの初期のサイン会に誘ってくれたね。壊される前のホテルオークラのプールにも一緒に行ったし、リノベーションに興味があって、お互いの家にも行き来した。

もう二度と会えなくても、ときどき「元気?やってる?」「やってるよー」なんてやりとりできたらいいのに。わかっているけど、それができないのが、死ぬということなのが、改めてつらすぎます。

明日、お別れの会が開催されるので、行ってきます。死に顔を見たら、またきっと思うことがあるかな。
ああ、きっと死ぬことは絶対に止められなかっただろうけど、それでも死ぬ前に話したかったな。

眠ることがなにより好きだった人に。どうぞ、ぐっすり、いつまでも寝てね。

2022年6月29日水曜日

(sic)boy、Bialystocks、優河、宇多田ヒカル

HUNTERのレインローファーを買おうか迷っているあいだに、梅雨が明けてしまった。
マジで暑すぎて7月8月を乗りきれる気がしないのですが…? 電力も心配だし物価も上がるし、7月の参院選で暮らしが苦しい状況が変わってほしいけど、与党がだらだら勝ちそうで怖い。

というところから、特に脈略なく、最近聴いている音楽について。
子どもが生まれてから、イヤホンで音楽を聴くことがなくなり、在宅ワーク中にSpotifyをかけっぱなし、というスタイルが主になりました。
会議続きで音楽が聴けない日があるとテンションが下がる。やっぱり常に流れててほしいんじゃ。

・(sic)boy

いま一番聴いてる。すごい好き。
日本人ラッパーなんですが、金髪で黒いアイシャドウ塗ってて、サウンド的にもオルタナティブやミクスチャーの影響が強くて、ポスト・マローンやトラヴィス・スコットに近いことを日本でやっている人だと思います。
インタビューを読むと、なんでも幼少期からのロックスターがHydeだそうで、このビジュアルや世界観にも納得! 確かにラルク感もある。

・Bialystocks(ビアリストックス)

映画作家でもある甫木元空(ボーカル/ギター)と、他のアーティストのサポートやジャズのライブで主に活動している菊池剛(キーボード)からなる2人組バンド。

この曲、タイトルは出オチ感があるんだけど、美しいボーカル、空間性、曲の構成、せつないひっ迫感に、一聴してハマりました。ポップスなんだが、よく聴いていると背景にジャズっぽいピアノの音色や口笛が入ったりする。ほかの曲も悪くないけど、この曲が突出して好きです。

・優河

最新のお気に入り。エゴラッピンをマイルドにしてアコースティック感を足した感じ。歌声にとても説得力があり、派手なプロダクションじゃなくてもきちんと成立している音楽です。

「灯火」という曲が去年、金曜ドラマ『妻、小学生になる。』の主題歌になってたみたいですね。しかも石橋静河のお姉さんらしい。ということは石橋凌と原田美枝子の娘…。私、原田美枝子が大好きなので、気づかずたどり着いてうれしかった。

期せずして紹介した3組、全部日本人になってしまった。意識して聴いているわけではないですが、インディー寄りの邦楽、聴きごたえがあるものが多くなっているなあという印象です。
久しぶりにライブも行きたい。なんとちょうどBialystocksと優河の対バンがあると知って、行くしか!となったけど、すでにチケット売りきれ後だった…。

あと宇多田ヒカル『BADモード』ももちろん買って聴いています。『Fantome』『初恋』は聴いていなかったので、オリジナルアルバムは久しぶり。自分と宇多田のタイミングが合ったという感じでうれしい(でも世間的な評価も割とそういう印象)。
スムースで心地よく、洗練されていて優雅で、身をゆだねて陶酔しそうになるんだけど、落とし穴のように凶暴さや死を思わせる幽玄があって、全然まったりさせてくれない。恐ろしく美しいアルバムだと思います。
曲で特に好きなのは「One Last Kiss」「PINK BLOOD」かな。

2022年5月6日金曜日

よい休暇を

ひい、最後の更新から7か月以上経っていた。
つまり赤子がいる生活も7か月目に突入しております。このゴールデンウイークが終われば、仕事復帰です! 

あっという間、確かにあっという間なんだけど、年を取るほど月日が経つのってスピーディーになっていくじゃないですか。それを考えると、あっという間ながらも濃密で、やりきった感のある育休期間だったと思います。

前々回の日記タイトルを「a long vacation」としたけど、実際に経験してみて、「自由に過ごせる最後のタイミング」と言われていた産休よりも、赤子のいる育休のほうが、個人的には休めた感じがする。2021年8月ごろがコロナの脅威MAXだったというのもありますが。
22歳で就職して、65歳で退職するとして、転職でもしない限りこういう長いお休みはとれないわけで。仕事始めて13年目、いいタイミングだったなと。

もちろん赤子のペースに合わせる生活は、体力的には大変で、真の意味での休みとは程遠いのだけど、それでも人生でこういう時期があるのすごくいいなと素直に思いました。
ベビーカーに乗せてあてもなく散歩したり、ミルクを飲ませながらスマホを操作するテクを身に着けたり、膝の上であやしながらNetflixで『セックスエデュケーション』シーズン3を見たり……
ラッキーなことに割と育てやすい、神経質でない性質の子なので、ランチやカフェ程度なら結構一緒に外出もできた。もともと歩くのは好きだけど、ベビーカーで近所の知らない道を適当に歩いたりするのが本当に楽しくて。毎日1日1万歩とか活動してたから、仕事復帰すると逆に運動不足になりそうです。


また育児をしてみて思ったのは、とにかく「孤立」がいちばんよくないということ。
産後の健診とかでも、「頼れる人はいるか」「ストレスを感じていないか」などを手厚く聞かれるんだけど、とにかく育児の主体者(主には母親)が孤立するのが危険なんですよね。
私は夫が在宅ワークなのがかなり助かりました。もちろん日中は彼も仕事をしているわけだけど、もし何かあったときにすぐ頼れる大人がいる、というだけで心強さが違う。
逆に、ずっとワンオペで実家も近くにないような場合、お世話の労力そのもの以上に、「赤ちゃんの命をたったひとりで預かっている」という恐怖心ですり減ってしまうだろうと思う。
もっと些少な、たとえば赤子がとんでもない量のうんこを漏らしたときなんかでも、ひとりだと「どうしよう!つらい!」ってなるかもだけど、ほかに大人がいると「げらげら!うんこすげえ!」ってなれるよね。

そして4月からは保育園に通わせ始めたわけですが、もともと「こんなに小さいのに保育園に行かせてごめんね」的な気持ちがほとんどないタイプですが、一度通わせ始めたら、もう後戻りはマジで無理。保育園の先生方本当にありがとうって感じです。
親が解放されるというメリットだけではなく、7か月にもなると親が単独でできる遊びのネタも尽きてきて、それならプロにまかせて、月齢の近いお友達と安全に楽しくのびのびと過ごせたほうが断然いいと信じています。


そんな育休でしたが、実は新しいチャレンジも始めておりまして……。
当初は資格の勉強でもしようかなあと思っていて、いちばん取りたかったのはワインエキスパートなんだけど、さすがに授乳中に受講するのはいろいろ問題があるなと断念していたら、代わりに副業の話が転がり込んできた。
まだオープンにできないので曖昧な言い方になってしまいすみません。でも、なんと創作関係でお金をもらえることになりそう!

2010年から小説を書き始めて、本当に趣味というか自分自身の楽しみのためにやってきて、デビューしたいとかは思ってなかったけど、素人なりに20作近く毎回きちんと完結させて書いてきた経験が、ここにきて生きることになって、それは本当にうれしい。

30代中盤になって、妊娠出産という弩級タスクに挑戦していたら、それが引き込むようにさらに新しい重大タスクが始まって、人生って面白いな~まだまだやれるな~とわくわくしております。
秋くらいに告知できるのではないかと思うので、楽しみにしていてください。何より私自身が楽しみだ!


またツイッターをご覧いただいている方には二重の告知になってしまいますが、妊娠期間についてのエッセイを発表しておりますので、よかったらこちらもぜひ。
いずれ出産育児編も書きたいと思っています。


あとアンケートのご回答もありがとうございました。こんな細切れ更新のサイトを今でも楽しみにしてくださっている人がいる、なんなら人生の一部として取り込んでくれている人がいること、うれしく、勇気が出ます。こちらこそありがとうございます。

ゴールデンウイークもあと2日、皆さんよい休暇をお過ごしください。


2021年10月1日金曜日

Wake Me Up When September Ends

 ご報告です。9月中旬、無事に子どもが生まれました!

すでに退院し、夫と3人の暮らしを始めております。
おかげさまで母子ともに健康です。

といいつつ出産はやっぱりすごくて、失血1リットル、会陰切開等々、母体はなかなかダメージを受けました。
陣痛から分娩までは4時間程度で、一般的には早い方なのですが、計画無痛分娩の割に難産で、終盤は「もう無理、生める気がしない!」と心の中で叫びながらいきみ続けていました。骨盤に引っかかって?うまく出てこれなかったみたいで、最終的には吸引分娩に。
生まれたての子と対面したときの私の第一声、ありがとうとかやっと会えたねとかじゃなくて、素で「この野郎!」だったもん。
のちに麻酔医に、無痛じゃなかったら気絶してたかもと言われましたが、マジで痛かった……。すべての経産婦よく生きてるな。
ただ産後の経過はよく、回復が人より早いようなので、無痛分娩にした甲斐はあったなと思います。

自分の子どもはなるほど、確かにものすごくかわいい。
病院にいる間は理性が効いていて、「赤ちゃんの見た目は猿か亀かガッツ石松に分類されるというが、この子は亀だなー」くらいに思っていたのですが、退院後は夫と「もしかして、この子ものすごく美形なのでは!?」と、ことあるごとに騒いでいます。
同時に新生児のままならなさの洗礼も浴びまくっていて、何をやっても数時間寝ないときは寝不足になるし、心もつらいし、近所迷惑も気になるし、消耗します。人ひとりを引き受けるってこういうことなんだなと。
赤ちゃんに合わせて寝たり起きたりしながらひたすらお世話する日々は、まだ現実感がなくて、ときどき寝ぼけた先に「あれ、これ今後も毎日続くんだっけ?」と、ハッとしたりする。

周りの人たちも想像以上に出産を喜んでくれていて、なかでも実の母が本当にうれしそうで、こういうモーメントが人生に訪れたことが得難いな、ありがたいなと感じています。
その一方で、母から来た「やっぱり子どもをもててよかったでしょう」というLINEの文面に、一瞬真顔になる自分もいて。母は心から善意、祝意からそう言ってるのがわかるし、言いたいこともだいたいわかるんだけど、笑顔で「うん! 本当にそうだね!」とはならなくて。
私からは
「無理につくる必要はないと思っていたけど、生まれてみたらたまらんね。子育てすることで、夫ともっと仲良くなれる気がするよ」
と返した。素直な想いだし、そのときの自分としてベストな返事だったと思う。

生まれて2週間程度なのに、この子がいなくなったら……なんてもう考えられない。でも、こう書くと気に障る人もいるだろうけど、子どものいない人生の自分も、どこかの世界線で生き続けるような気がしていて。
どっちに進んでも自分だし、自分らしい人生は送れると思う。分岐した先の世界で楽しくやってねって思います。
この感覚はどんどん失われていくかもしれないから、今まだ、輪郭がつかめそうなうちに、ここに書いておきます。

* * *

前回の記事のアンケートに答えてくださった方々ありがとうございました。とてもうれしく拝読しております。
気持ちの上では個別に返事を返しています!
引き続き設置しておりますので、まだの方も、ぜひ一言書いていってくださいませね。

2021年8月10日火曜日

a long vacation

2021年7月で、サイキッシュは20周年を迎えました!
15歳、高校1年生の夏から始めて、人生の半分以上、私という人間の開かれたパーソナルスペース、拡張した脳空間として機能してくれているんだなあ。
運営しているのは自分自身なのですが、とても面白いリアルタイム実験だなあってつくづく感じる。
ずっと見てくれている方も、ときどき思い出したように遊びにきてくれる方も、今日たまたま検索で引っかかってくれた方も、皆さん本当にありがとうございます。

せっかくなので久しぶりにアンケートフォームをつくってみました。
気軽に答えられる感じにしたので、よかったらぜひ遊んで行ってください。

さて、7月に20周年だったから、本当はその時期に更新したかったのだけど、8月にずれこんだのは事情があります。
今日は山の日の3連休明けの平日ですが、私はお休み。
ただの夏休みではなく、人生で最初で最後かもしれない、ちょっと特別なお休みに今日から入りました。いわゆる産休というやつです。
YES、妊娠した~~~
女35歳、コロナベイビーを腹に宿しております。じつは地中海旅行記を書いている途中に発覚したんだけど、とりあえずそのような気配は見せずに書ききったのであった。

妊娠したことは、インターネットでは明らかにしてきませんでした。最初は安定期に入ったら…と思ってたんだけど、なんとなく機を逃してねえ。
生まれたあとに発表するのも考えたけど、育児でうつろになってそんな暇なさそうだし、「十月十日」というこの期間の間に、生の声を書いておきたいというのはあった。
幸いにして、つわりもほぼなく、眠い以外の不調も少なくて、かなり元気なほうの妊婦だと思うのですが、それでも何があるかわからないのが妊娠だなあとしょっちゅう感じます。
在宅ワークになったの、かなりありがたかった。不安定な体で満員電車に乗って通勤するとか、コロナ以前の妊婦マジで無理ゲーすぎんか?と思う(もちろん今も外出せざるをえない立場の妊婦がたくさんいること、自分はめちゃくちゃラッキーであることは、理解しております)。
コロナが流行してよかった、とはけっして言えないけど、でも社会が変わるきっかけになったはずだし、何がどう人生に影響してくるのかわからんもんだなと実感しています。

せっかくなので今日撮影したばかりの近影だよ(@自宅洗面所)。

正面から見ると一瞬わからないのだが…

横から見るとどう見ても妊婦です。ありがとうございました。
体重増加はずっと控えめで、なんと8か月の時点では妊娠前プラス1.5kgというかなり優秀なスコアだったのだけど、9か月に入ってから急カーブで一気に体重が増えてきて、これが後期妊婦…とおののいている。
といいつつプラス1.5kgというのもカラクリがあって、つわり期に3kg痩せたんですよね。なのでそれも含めるとプラス4.5kgではあったのだが。
ちなみに痩せたのは吐いた、食べられなかったなどではなく、酒をやめたから、ただ一点それだけ…ホットケーキとか食いまくったのにどんどん体重が減ってたまげたよ。酒そのもののカロリーもあるし、むくみも減ったんだろうな。酒、こんなに好きなのに私を苦しめる存在。
でも不思議なことに、本当に妊娠するとそんなにお酒飲みたくなくなりました。当初は「ノンアルコール飲料をいろいろ試すぞ!」と思ってたけど、なんかそれも不要だなというか。ノンアルコールワインも結局ジュースだしなあ。甘い飲み物が飲みたいわけではないんだよな。
20歳以来の酒を飲まない日々を過ごしてわかったのは、酒の味わいって「ビールやシャンパンなら爽快感、赤ワインやウィスキーならうっとり感」、そして「苦味」なのかなと。
いい苦味って、じつはノンアルコール飲料には意外と存在しなくて。だったらコーヒーとか紅茶を飲むほうが手っ取り早い(カフェインもとりすぎは注意ですが)。
食事に合わせやすいのは、黒ホッピーにトニックウォーターかグレープフルーツジュースをちょっと足したやつかな。苦味をちょい足しすることで酒っぽくなる。

結局酒の話にいちばん文字数を費やしてしまったけど、そんな感じで妊婦生活ラストスパートを過ごしております。
秋には子どもが戸籍をもつ人間として実在しているのか…と思うと本当に不思議だけど、基本的には楽しみな気持ちが強いよ! 生まれたら生まれたで、かつてない感慨があるんでしょうね。それを体験するのが楽しみ。

コロナと猛暑で大変な夏だけど、私は元気にやっております。合言葉はサヴァイヴ。皆さんもどうぞお元気で。

2021年6月6日日曜日

『アフターキング』副音声解説

2010年4月から、趣味で小説を書き始めて、丸10年経ちました。

小学生のころに講談社ティーンズハート文庫に影響されて、何作か書いたりしたけれど、中学生ではそれが漫画に代わって、さらに高校生からは「自分が描くより編集の立場の方がおもしろい」と感じるようになり、日記やレビューはしこしこと書き続けてきたけど、フィクション創作からは遠ざかっておりました。

でもきっと、ずっと「物語」を書きたいという思いが心のどこかにあったのでしょう、たまたま連続で読んだジュンパ・ラヒリ『停電の夜に』と桜庭一樹『私の男』がすごく面白くて、うわーっとなって、なんとなく温めていた「血のつながらない兄と妹の話」を勢いで書き始めて。
それが意外と書ききれてしまったので、楽しくなって、それ以降も書き続けてきました。

書くのはたいてい、2万字前後の中篇で、長くて5万字程度だった……のですが、見切り発車で始めて、結局8年以上もかけて、なんとか2019年に18万字(+番外編2つ)で完成させた作品があります。
『アフターキング』という小説です。

https://ncode.syosetu.com/n5824s/

東南アジアの小国・ヴェイラの首都の古アパートで、隠遁者のような生活を送るヒゲの男、ジェイル(32)。彼こそ、15年前にわずか17歳で退位した最後の国王だった。

正体を隠しながら静かに暮らす彼のもとへ、突然日本人の女子大生チセが押しかけてくる。ジャーナリスト志望のチセは、ジェイルを取材したいと言う。

パワフルで自由なチセに振り回されながら、ジェイルは諦めていた人生を少しずつ取り戻していく。だが背後では、彼を政変に巻き込もうとする不穏な動きが……。


サイキッシュでは書いている小説の具体的な話はしてこなかったけど、この作品はとても思い入れがあるのと、影響されてきた文化をぶち込んでいるので、副音声的な解説を残しておきたいなと思って。
小説本編を読んでくれとは言わない、でもこの解説は読んでいって!


・舞台は東南アジアの架空の国。15年前に王制から民主化したという設定で、王制への揺り戻しを図るクーデター計画がストーリーのメイン軸

いきなりどこに向けて書いてるんだよ……という感じですが、大学のゼミでは政治体制と民主化を専攻していたので、私にとってはずっと身近なテーマで。書き終えた今も、ミャンマーの政治動乱を見て、つくづく過去のことではない、他人事ではないと思います。

そして東南アジアも大大大好き……ベトナム、マカオ、ペナンなど、実際に旅をした、少し中国の影響を受けている東南アジアの都市をイメージしながら書いていました。

・主人公が元国王、32歳の引きこもりやさぐれヒゲ男子

血統よし、見た目よし、頭もいいと、設定だけ見たらチートなはずなのに、書きながら何度も「こいつ、なんて面倒な男なんだ?」と呆れるほど、うだうだ理屈っぽい主人公でした。私がこれまで見聞きして蓄積してきた「男子のダメな部分」をMAXに出力すると同時に、男子の内なる善な部分も信じながら書いた。
とくに男性メインのロックバンドの歌を聴くときに感じる、“這いつくばりながら、それでも光を求めている”感じというか。

どれだけスペックが高くても、自分の「穴」に向き合わない限り、自分らしい人生は送れない。どこかで腹をくくって、人生のケリは自分でつけるしかない。書き進めるほど、そんなふうに感じていました。

・年の差カップル、バディもの、探偵小説の要素

そんな七面倒な男を家から叩き出すには、生命力にあふれたヒロインが適任だろうと思いました。私の偏愛する「おっさん×少女」をつい書いてしまった。
ただ、主人公に都合のいいだけの女の子にはしたくなくて。動物的というか、小柄でかわいいけど獰猛さがあり、理屈ではなく自分のルールで行動するキャラクターを目指しました。このヒロインに関しては、逆に書きながら「何を考えているんだろう……」と思うほどでした。

年齢差あり、でこぼこのふたりが、街を駆け巡りながら、謎に体当たりしていく。ラブストーリーでもあり、冒険小説、探偵小説っぽい要素もふんだんに取り入れたつもりです。

・王族、上流階級、パーティ!!

ロイヤルへの憧れは私にももちろんあって、華やかな部分はもちろんのこと、「duty」を背負っていることに惹かれる。生まれながらにしてアイドルになることを義務づけられている人々。
自分がなりたいか?と言われると、けっしてYESとは言えないし、実際この主人公もしょっぱなから王位を返上しているのですが、それでも王族に生まれついたという事実は消せない。そんな人が、「その後の人生」をどう生きるか、はずっと好きなテーマです。

そしてパーティのシーンはやっぱりぶち込んでしまうよね。せっかくなのでタキシードとドレスを着せたかった。漫画だととてもじゃないけどパーティシーンの描写なんてできないけど、好き勝手に書けるのは小説のよさですね。


・Soundtrack

夏盛りの街が舞台で、また前述のとおり男性ロックバンドを強く意識しながら書いていたので、聴いていた音楽も男性ものが多かった。

Can You Take Me/Third Eye Blind

Reckless/J

10 Days Late/Third Eye Blind

Jasmine/Jai Paul

Bolero/Maurice Ravel

All Of The Lights/Kanye West

Inhaler/Foals

Lean On/Major Lazer feat.MØ&DJ Snake

NOW YOU KNOW BETTER/Mondo Grosso

Feel Your Blaze/J

U(Man Like)/Bon Iver

The Sound/The 1975

Non-dairy Creamer/Third Eye Blind

Walk On/U2

アルバム単位だとThird Eye Blindの4枚目『Ursa Major』(2009)が本当にぴったりで、特に1曲目の「Can You Take Me」が主人公の気持ちにフィットしすぎて和訳を何度も読み返していたほど。

なにかが起きる予感が肌の内側でゾワゾワとしている、お互いにもうわかっている、これ以上嘘はつけない、暴動の機運はすぐそこまできている、立ち上がって世界を変えなきゃいけない、あとは手を伸ばすだけ、私たちは似ている、今なら、そう今なら、この距離を越えられるかもしれない……
ちなみに歌詞に出てくる「I'm the mega collider when I take you」というフレーズがすごく印象的なのですが、mega collider(価値観を大きく揺さぶる存在、って感じの意味かな)という言葉はThird Eye Blindのレーベル名にもなっていて、「わかる、気が合うね!」ってなりました。バンドも困るだろうね。

「U(Man Like)」は書き終わる時期に出会った曲で、男子のうじうじした感じがやさしく穏やかに歌われていてキュンとする。終盤の気分にぴったりだった。「Lean On」はダンス×エレクトロだけど刹那的な感じが、ヒロインのテーマソングでした。

・オマージュをささげた作品
そんな大層なものではないですが、書いているうちに自然と、これまで影響された作品を意識する部分がありました。映画『オールドボーイ』、映画『ローマの休日』、小説『ねじまき少女』(パオロ・バチガルピ)、小説『この世界、そして花火』(ジム・トンプソン)あたりが出てきます。

『元国王のスピーチ』『美男ですね』『王の帰還』『とらわれの身の上』『FACES PLACES』『クロージング・タイム』あたりの各話タイトルも、既存作品から借りてます。クスッとしてもらえたらうれしい。

あと「Coldplayなんて、いま年寄りしか聴いてないでしょ?」的な会話も入れてしまった。Coldplayに恨みはないです……主人公は2000年代にオックスフォードに通っていたという設定なので、「Yellow」とか「The Scientist」をラジオですごく聴いていた世代です。


うう、我ながらめちゃくちゃ自己満足なあとがきを書いてしまった。すみません。でも今後の人生でこれだけじっくり書いて完結できる小説が生まれるかどうかもわからないし、記念に残しておきたかった。

もしご興味のある方は、上のリンクから読んでみてね!


2021年2月7日日曜日

2019年地中海クルーズ(10)10・11日目:アテネ国際空港~帰国

ついに旅行の最終日がやってきました。昼過ぎの便なので、もう観光などの時間はありません。ホテルで朝食を食べて、少しぶらぶらするくらいでしょうか。ホテルの朝食は一般的なものですが、生絞りオレンジジュースの機械があったのが面白かった。気に入ったらしい父が珍しく母や私の分までつくってくれました(普段は料理の類は全然しない)。

前日の「スーパーに行けなかったショック」をまだ引きずっていた私は、ワンチャン見てくらぁと、夫をひとり残して近所へ。やはりスーパー等は閉まっていましたが、おじいさんがやっている個人経営のコンビニみたいなところはあいてた! ギリシャのピスタチオがおいしいと聞いていたので、ピスタチオを2袋購入。ひとつ4.5ユーロで、そっけないパッケージで、ほんとに庶民的な商品だったけど、これは本当においしかった。もっと買えばよかったくらい。

ホテルの近くの路地。日曜朝なので人気も少なめ。

こんなギリシャ正教会の教会もありました。

チェックアウトし、バスでアテネ国際空港へ。空港にギリシャを代表するスキンケアブランドApivita、KORRESがあると聞いていたのですが、それ以外はとくに買うものないかな~?と思っていたのです。が!

ギリシャワインが!

めちゃくちゃ!
そろってる~~!!

これはかなりうれしい誤算。旅行中にお気に入りとなったアルファエステイトのマラグジアも無事に買うことができて本当にハッピーでした。きっとスーパーに比べれば高いとは思いますが、全体的に良心的なお値段でしたよ。

チェックイン後のエリアはほかにもセンスのいい雑貨や小物がたくさん。

搭乗前に安心して買い物できますね。残念ながら日本から撤退したApivitaでもたくさん買えて幸せ。KORRESは今回買わなかったんですが、最近話題のヨーグルトパックを買っとけばよかったな~とあとで後悔しました。

そして離陸。さようならギリシャ!(この写真はたぶんギリシャのはず! もしかしたらイタリアかも)

そしてローマで乗り換え。時間があまりなく、買い物はできるけど、レストランに入る時間はないかなという感じ。ただアテネ-ローマ間が軽食しかなくおなかがすいていたので、搭乗ゲートの手前で急いでビール2本と、親の分も含めてサンドイッチを購入。ちなみにここではボンジョヴィの昔のヒット曲が流れていたんですが、この旅行中ほかでも聴く機会があり、懐メロ的な感じで街中でよくかかってるんでしょうね。

ちなみに合流したら、親も親で軽食のパンを買っていて、考えることは一緒だな!と思った。そうして11時間ほど飛んで、無事に翌日午前中に成田着。長い旅が終わりました。

お土産をざっと。

右上は買い集めたギリシャの石鹸。真ん中のサンダルはアテネで買ったもの。ぺたぺたと歩きやすくて重宝しています。その左隣がクレタ島の修道院で買った塩。さらにその左がおじいさん商店で買ったピスタチオ。
一番下はApivitaのフェイスパック、ヘアパックなど。

ご当地マグネットも購入。左はアマルフィ、右はアテネ。

たんまり買ったワイン。左からアルファエステイトのマラグジア(2本購入)、クレタ島のロゼ、モンテネグロの赤ワイン。

あとこちらはローマ三越で買ったワインボトルホルダー。日本でも通販やイタリア物産展などで買えるみたい。赤と緑の色がイタリアカラーだし、クリスマスなんかにも映えてお気に入りです。

私の人生において、本当に忘れがたい思い出となったエメラルドプリンセスでの地中海クルーズ。自力ではなかなか行けない場所も多く、「船でつなぐ旅」という魅力を体感することができました。

また寄港地の観光中、私がiPhoneの地図アプリなどを見ながら親を案内していたとき、親は「30年前は自分たちが子どものお世話をしていたのに、今は立場が逆になったんだなあ」と感慨深かったそう。そういう経験、思いを体験できたことも、旅のすばらしさだなと思います。

そしてなにより、船の上の解放感、多幸感は、航路や陸路の旅では味わえないものでした。

実は両親は2020年にもクルーズを計画していたそうなのですが、コロナウイルスの流行によって取りやめに。日本ではとくにダイヤモンドプリンセスの件があり、怖い印象を抱いている人もいるかもしれません。

でも船旅は本当に素敵! 状況が落ち着いたら、 ぜひ必ずもう一度、二度、と思っています。

2019年地中海クルーズ旅行記 目次はこちら

2021年2月2日火曜日

2019年地中海クルーズ(9)9日目:アテネ

エメラルドプリンセスは、ついに目的地のアテネへ到着。長い船旅を終え、今日はアテネ市内を観光し、一泊します。

アテネ・ピレウス港からの景色。

下船方法ですが、あらかじめグループごとに時間が区切られています。私たちは8時半に集合し、呼ばれるのを待ちました。30分くらいで下船できたと思います。

バスに乗り込み、向かうはアクロポリス。とにかく混雑する観光地なので、午前中に行くのが必須。でも10時前の時点ですでに結構混んでました。

丘に登っていく階段が急で、手すりなどもないため、ハラハラしました。

パルテノン神殿!! がっつり修復中でしたが、その堂々たる威容はさすが。抜けるような空に映えています。

少女の像が柱として支えるエレクティオン。現在この柱は複製で、本物のうち5体はアクロポリス博物館に、残り1体は大英博物館にあるそう。​イギリスはギリシャの貴重な遺跡を勝手に盗んでいった経緯があり、現地ガイドさんが説明してくれるときに、片言の日本語でたびたび「本物は……イギリスで~す!」と言ってた。鉄板のギャグなのだろうな(笑いごとではないが)。

ディオニューソス劇場を上から見下ろしたところ。

パルテノン神殿前では、アタック25優勝者たちで集合して記念撮影できたのもいい思い出です。その後、東京在住の気のいいおじさんとは一度飲みにも行った。

ちなみに優勝者カップルに我々と同年代の夫婦がいて、親と最初「旦那さんが優勝したのかな?」と話してたんだけど、ハッとして「いや、奥さんの方かもしれないじゃん! 現に私だってそうなのに、クイズに強い=男みたいな思い込みはジェンダーバイアスだよ!!」と力説してしまった。異国の地でジェンダーについて思いをはせる女……。そして結局、彼らは夫婦大会の優勝者でした! ちゃんちゃん。

アクロポリスの丘をおりて、第1回近代オリンピックの会場や大統領官邸を観光。

大統領官邸では、民族衣装に身を包んだ兵士の交代儀式が有名です。スカートみたいなのをはくんだね。そして暑そう。

ランチはツアーに含まれていて、Strofiというレストランへ。派手ではないですが高級感のある雰囲気で、有名なお店のよう。

テラス席からパルテノン神殿が見えます。

前菜はほうれん草とフェタチーズのパイのようなもの、メインは肉と野菜のシチュー。おいしかったけど真夏の昼間に食べるには重かった。

この手のツアーで行くレストランってあまり期待していませんでしたが、サレルノとアテネのお店はそれぞれおいしかったです。さすがJTBというところでしょうか。

ホテルはアセニアンカロリエホテル。そう大きくない建物で内装もシンプルですが、部屋は広さにゆとりがありました。午後にチェックインし、少し休んで、私は両親と繁華街のプラカ地区へ遊びに。ホテルから徒歩で15分~20分くらいかな? 路面電車が走る大通りが近くにあり、道はわかりやすいです。

プラカ地区は渋谷センター街的な感じで、お土産類はたいてい買えます。ミコノスで見かけたようなサンダルで、きれいなグリーンがあったので、購入。3000円弱でした。

ベタなお土産屋さんがいくつも並ぶなか、とてもおしゃれだったANAMNESIAというショップ。ポップだけど子どもっぽくないアイテムがたくさんありました。空港にもショップがあったから人気店なのかも。
近くにあった別のショップ。名前忘れましたがここもかわいかった。お値段は高め。

帰りにタクシーに乗ったら、日本人だとわかった運転手さんに「ヨコハマ!」と声をかけられました。ギリシャは海運の国だから、東京や京都より港がある横浜のほうが有名なのかも(横浜には古くからギリシャ料理のお店も多くあったそう)。全体的にフレンドリーかつ親切な人が多い印象で、いい国だなと思いました。

買い物は、ホテルの近くにあるPantopolionというグローサリーもおすすめ。ワイン、チーズ、オリーブオイル、はちみつ、お菓子などがそろってました。

旅行中最後のディナーは、やはりホテルから近いMani Maniというレストランへ(ギリシャ語表記だとMANH MANH)。ニューヨークタイムズにも載ったことあるようで、予約したほうがいいという情報を見て、日本にいるときにメールで予約しておきました。

かわいいドアをあけて、2階に上がるとお店。モダンなギリシャ料理という趣旨で、ここは本当に素晴らしかった! 地中海のレストラン全部よかったですが、総合点では断トツここです。

焼いたチーズがのったサラダ。崩しながら食べるとうまい!

カルパッチョ的なものが、ペーストにのっている。パンに付けたら止まらない。

こちらも前菜。野菜とポテトとイワシを3段重ねにするのがおしゃれで、帰国してから真似した。
タコのグリルの下に、大好きフムスがたっぷり。

人気のメニューみたい。チーズのパスタ目玉焼きのせ。
シーフードのリゾット。うまかった~~

そして昨日ミコノスのレストランで惚れた白ワイン、ここでも出合えて。ギリシャでは有名な銘柄なんでしょうね。もちろん頼んで1本あけました!

店員さんの雰囲気もいいし、がっつり食べてもお手頃価格で、本当にいいお店でした。

ただ食後ひとつ誤算が……! いい気持ちになって、最後にもう少しおみやげハントしたい!と夫と近所のスーパーに行ったのですが、20時閉店にギリギリ間に合わず。しかも翌日は日曜なので、たいていの店が閉まっていることに気づきました。

さっき飲んだ白ワインをどうしても日本に買って帰りたかったのに~! ローマのスーパーが遅くまで開いていたので油断していました、ここはアテネだった。ああ~心残りが、と思いながら更けていく最後の夜……。

2019年地中海クルーズ旅行記 目次はこちら

2021年1月30日土曜日

2019年地中海クルーズ(8)8日目:ミコノス(ギリシャ)

いよいよクルーズの旅も大詰め。最終日の前日であるこの日は、ミコノス島へ上陸します。

真っ白な建物で知られるミコノス島。サントリーニ島と並ぶ、ギリシャの観光地のメッカです。物価が安いギリシャの中では、レストランもお土産ショップも比較的高め。でもそれも納得と思えるほど、仕上がったさすがの観光地でした。

クルーズターミナルから市街地までは水上バスで移動します。行きはツアーで一緒に行き、帰りは個人で。片道2ユーロでした。水上バスに乗っていると、上のような風景が見えてきてさっそく心躍ります。

海がきれい! 青と白のコントラストが目にまぶしいほど。

この日のファッションは、日本にいるときから絶対これで!と決めておりました。青のサンダルはヌキテパで、これも見知らぬ乗客にほめられて嬉しかったです。夫の半パンは水着と兼用。足元は部屋履きにもしていたビルケンシュトック。

中心部は小さな通りにお店がぎっちりと並んでいます。ブーゲンビリアがいたるところで咲き乱れていました。

白壁を塗り直しているお兄さんたち。手前にロバとペリカンのぬいぐるみが見えます。ロバはサントリーニが有名ですが、ミコノスでも乗れるみたい。ペリカンはミコノス島の人気者で、そこらへんをうろついています。写真を撮れなかったけど、私も偶然見かけてラッキーな気持ちに!

サンダルショップ。ギリシャの革グッズ、なかでもサンダルは有名です。アテネでも同じようなものがあって、そっちの方が安かったです。

黒と白の猫ちゃん。

ミコノス名物の5つ並んだ風車へと続く坂。けっこうキツいです。

印象的な教会。建物にあまりギリシャ正教会っぽさがないですよね。

両親と別行動していましたが、待ち合わせまで少し時間があいたので、先に乾杯することに。Niko's Tavernaというお店です。11時過ぎだったのでまだ混んでいませんが、夜は人気店だそう。

ギリシャのアルファビールが冷えていてウマい!

シーフードのトマト煮込み的なやつ。ここはグランドメニューのほかに「本日の魚料理」などがそろっていて、選ぶのも楽しかった。値段も良心的です。

ここにもタコさん。やはりギリシャのシンボル的な存在なのですかね~

そして両親と落ち合って、昼食はリトルヴェニスというビーチに面したレストランへ。

Vegeraというお店で、中から外はこんな風に見えます。いちばんの中心地ということで混んでいるお店でしたが待たずに入ることができました! 

ここも料理が本当においしくて……。

カラマリフリットはもちろん外せません。

ムール貝も!

シメはエビのパスタ。惜しげもない大きなエビ♡

そして料理に負けず劣らずおいしかったのがこの白ワイン。アルファエステイトというワイナリーの「マラグジア シングル・ヴィンヤード」。マラグジアはギリシャを代表する白ワイン種とのこと。地中海の白!という感じで、さわやかな辛口でどんな料理にも合って本当においしかった。

食後はまた少しぶらぶらと。両替所すらかわいい。

水上バスで戻っていると、エメラルドプリンセスが見えてきました。もう明日の今頃にはとっくに下船しているかと思うとさみしい。

船に戻ったら、下船に備えて荷物の整理を。また精算に間違いがないか確認し、問題があればカウンターに問い合わせたりする必要があります。

クルーズ中に使った金額については、紙に印刷されたもの、プリンセスクルーズのアプリ、どちらでも確認できます。こちらはアプリの画面。船内Wi-Fiは、このアプリに限っては無料で使うことができます。ちなみに「ギフトクレジット -50.00」はJTBのツアーに含まれていた「1部屋につき100ドル分の船内チャージ」のことですね。

父親がサレルノでリモンチェッロを購入し、船に預けていたのですが、部屋に届けられていないということでカウンターに行きました。添乗員さんが手伝ってくれて助かったようです。結局夜ギリギリに届けられたそう。大勢の乗客がいるだけに、ミスも当然起こるので、自分でも確認して聞くことが大切ですね。

最後のディナーは、夫婦だけで、お気に入りの「Crown Grill」をリピート。

前菜は小さな貝柱のグラタン、ケイジャンザリガニのクリーム。

メイン。夫のニューヨークシティストリップ(340g)。塩3種類と一緒に供されるのがクラウングリルの特徴です。

私は仔牛のチョップにしたんだったかな。

サイドディッシュやポテトもあるので、テーブルは大渋滞。この野菜やポテトがシンプルなのにまたおいしいんですよね~。食べられなかったぶんは包んでもらいましたが、結局部屋でも全部は食べられなかったのが残念。

給仕してくれた金髪のウェイトレスさんは、ウクライナ出身だそうです。船内のスタッフ、私が見聞きした限りだと、ウクライナとフィリピン出身が多かった印象でした。

船から眺める夕陽もこれで見納め。明日はいよいよクルーズ最終日、アテネです。